2008年09月20日

プレミアリーグ08~09【第四節】リバプール vs マンチェスター・ユナイテッド

ちょい古い試合ですが......

リバプールにはキーン

マンUにはベルバトフトと加入FWの活躍が期待されます。



『両者の抱える問題』

両者共に抱える問題はFW。

ただ同じFWでも欲するものが大分違う。

リバプールに求められるのは《トーレスの相棒》であり《ジェラードに頼らない攻撃の構築》である。もちろんジェラードがそこに関与した時、二倍三倍になる相性の良さがあるに越した事は無い。

一方のマンUは《ローテーションを組める人材》であり《FWの柱になりうる存在》である。ルーニーやテベスの稼働率を減らして怪我や体力の回復に努める。近い将来起こりうるギグスの引退に備えて攻撃の再構築と人選の見極め。


深刻なのはリバプールの方かな?

キーンの働きそのものが勝敗に直結している分、掛かる期待と重圧は半端ではないはず。なかなか得点出来てない分より一層周りからの重圧が掛かるはず、その上この試合トーレス&ジェラードが怪我でベンチに入っている。全力でフル出場となると、まだまだ様子を見ながらということでキーンに期待するところがより一層増している。

その分、ベルバトフに掛かる重圧は本人程度。C・ロナウドが居ない為ちょっと苦しいは苦しいけど、ほぼベストメンバーで組めて特に不安は無い。怪我明けの選手も戻りつつあるし......



『タイトロープ』

3分~ テベスが中盤のボールにチェイシングを掛けてそこでボールを奪取。ミドルパスで前線へ出た所でアンデルソンがダイレクトパスで裏へ出す。そこに反応したベルバトフがPA内深い位置からマイナスのパスを送って、そこに走りこんだテベスが先制弾。

予想以上に早い段階で結果を出したベルバトフ。ベルバトフの周りに祝福の選手が集まる辺り、チーム全体が彼がチームに馴染む為に全力でサポートしているのが分かる一瞬。

ただ早過ぎたような気がしないでもない......

リバプールの今日の守備は気合が入ったものだけど、先制点の場面はちょっとエアポケットに入った感じ。ただ前線のチェイシングとプレスは初っ端から全開で猛烈にプレッシャーを掛け続けていました

これにちょっと対処できないマンU

かなり際どいパスコースとパススピードを維持しなくてはならず、いつも以上にパスの組み立てに神経を使わなくてはならない。リバプールのチェイシングに追い詰められてかなり精神的にキツキツなのが見て取れる。その為か徐々に攻撃の緩急をつけ難くなり、一本調子の攻撃しか出来なくなり勢いは徐々に失われていった。



『緩急の付け方』

それぞれのチームで全く違うけど、マンUを例に取ると一番緩急を付けるのが上手いのはギグスでしょう。残念ながら全盛期のギグスを見た事が無いので今と違うのは想像でしか想い計る事が出来ないけど、ベテランらしいゲームを読む力を駆使した緩急の付け方です。
よく《ボールを落ち着かせる》とか表現されるチームにとって安心してボールを預けられる存在。容易にはボールを失わない為ボールを預けて前に走れるし、そこにボールを送る技術もある。長年培われたゲームを読む力と相まって緩急を付けると思われる。

ギグスほど安定感があるとは思えないけど、C・ロナウドも計らずも緩急を付けている。トリッキーなボールコントロールや切り替えし、そしてドリブルなどボールを失わない技術があるからこそボールが集まってくるし、そこで緩急が付いてしまう。

昨シーズンのマンUの必殺パターンは、ルーニー&テベスが前線から中盤に猛烈なプレスとチェイシングを掛けて、中盤の網に掛けてボールを取る。そこからサイドのC・ロナウド又はギグスに出して一呼吸置く(ドリブルで突破するかキープか)。その間にルーニー&テベスが前を向く時間と前線に戻る時間を作る。それに引っ張られてC・ロナウド又はギグスのマークが緩んで中盤との連携で前線にボールを運べ易くなる。そして2トップ+逆サイドのC・ロナウド(ギグス)で得点してしまう。

これが昨シーズンは面白いように決まっていた。ギグス&C・ロナウドのテクニックがあるからこそ出来たと言っても過言ではない。



『亀裂』

何となくイーブンの展開になってどっちつかずのゲーム展開。

マンUの攻撃もいまいちシックリこない。かといってリバプールも攻撃に関してはマンU以上に、暗中模索というかコレという打開策も何もない。もともと個人の連携の上に成り立っているリバプールの攻撃は、その柱であるトーレス&ジェラードを失っては誰が何をするのかさえ分からない状態。思いっきり動きがズレたり、あらぬ方向に走ったりパスを出したりはザラ。こうみるとマンUの攻守が如何に洗練されたものか分かる......

ただし、サッカーはそれだけで全てが左右されるわけではない。

27分~ リバプールのシュート? クロス?が味方に当たって不規則なボールとなってゴール前に......其処に詰めたリバプール選手。当然ブラウンはその選手に付いて行く......予期しないボールにファン・デル・サールは何よりもパンチングでクリアを図る。そこに相手と併走してきたブラウンにパンチングしたボールが当たってオウンゴール

何とも残酷な......

リバプールにコレといって攻めもなかったのに偶然が産んだ産物。

何となく勢いに乗っていたリバプールもこれでより一層加速。

兎に角、勢いを防いでいたマンUにまた不運が......

中盤でリバプールを防いでいたキャリックが怪我のためか動きがおかしくなる。途端に何か箍が外れたかのようにリバプールがガンガン攻め込む。寸での所で防ぐ力がマンUにはあるから失点という所まではいかないけど、何かがおかしい......



『目に見え始めた亀裂の発端』

後半、キャリックに代えてギグスを投入。左SMFのアンデルソンをCMFに持ってきて昨年までと同じ形にしてきました。


何も問題はないように思えた......


ただ後半が始まっても、依然としてリバプールの勢いが消えない

より一層攻め込まれて、マンUが攻め込む場面なんて皆無に等しい


一体何がおかしいのだろう......


どうしてもマンUの中盤の支配力が弱まって、どうしてもリバプールに好きなように動かれてしまう。守備も後手を踏んでしまう。

その上ジェラードを投入されたとあっては、より一層リバプールの動きに精細さが光ってくる。


たたらを踏んでいたファーガソン監督も積極的に中盤に戦力を投入する

スコールズに代えてハーグリーブスを投入しても駄目

アンデルソンに代えてナニを投入しても駄目

そして見えてきたのは......



『ベルバトフ苦悩の始まり』

マンUの最初の守備の初手は、テベスとルーニーのチェイシングとプレスから始まります。彼ら二人が挟み込むように動く事によって中盤でのパスコースが限定される。相手はボールをDFに下げるか苦し紛れに出すか選択するしかない。実際前半はリバプールも五分の苦し紛れのロングボールを放り込んでいました。
テベスはともかくベルバトフが意識的に守備にチェイシングに走る事はない。元々前線でドッシリ構えてボールが来るのを待つのに慣れすぎたのか走らない。片腕を失ったまま走るテベスは不満顔。前線からのプレスが全く意味をなさなくなったマンUは(あくまでも想像)容易にパスコースを見つける事が出来、前線に走りこむ事が出来る。
結局、この流れからリバプールに逆転弾を許す事になりました。

この結果、リバプールはホームでマンUを七年ぶりに下す快挙を得ました。


試合後のインタビューからするとファーガソン監督は自身の失態を自覚しているようでした。守備が悪かった事を認めている事から想像するに

ベルバトフの動きが原因である事は分かった上で交代カードを切っていたのかもしれません。ベルバトフを早々に見切りをつけることは簡単。スパーサブに置いとけば去年までのやり方で何とかなるのは分かりきった事。ただそれだけでは勝ち抜けないことを分かっているし、これから先不測の事態も考えられる。ある意味高い授業料を払ってでもベルバトフにマンUのやり方を見せたかったのかもしれません。今までは求められなかった事も要求されている事を自覚して欲しかったのかもしれない。もしくはベルバトフが投入された時は全く違う守備のやり方を模索しないといけない事をチーム全体に植えつけたかったのかもしれません。



かなり高い授業料だけど、ベルバトフ自身がそれに気付いて何か出来ないとC・ロナウドが出てきたらあっという間に消し飛ばされてしまう。


それにしても、ここまで前線からのプレスとチェイシングが強烈だったのかと思い知らされる。マンUの中盤がちょっと今回混乱したとはいえ、意外と単独での支配力が弱い事を露呈する形になってしまったのはかなり不味い......様々な不運が重なり合った上でとはいえ......




リバプール:Formation


        キーン(7)  カイト(18)

 リエラ(11)               ベナユン(15)
      X・アロンソ(14) マスケラーノ(20)

 アウレリオ(12)             アルベロア(17)
      キャラガー(23) シュクルテル(37)


           レイナ(25)


【得点】
27分 オウンゴール 
77分 バベル

【交代】
68分 ベナユン ⇒ ジェラード(8)
71分 リエラ ⇒ バベル(19)
87分 マスケラーノ ⇒ ヒーピア(4)


※( )内は背番号

まだまだリバプールは攻撃に関しては長いトンネルから抜け出していない。キーンがあと一歩の所まで来ているけど得点が取れない。取ってしまえば何かが変わる気がするんだけど......依然としてキーンとトーレスの共存が出来ない事には先が無いのは変わらないけど

それとジェラードがFWに近い所で動かないと何も生まれない体質もどうにかしないと......



マンチェスター・ユナイテッド:Formation


       テベス(32)  ベルバトフ(9)
  
 アンデルソン(8)           ルーニー(10)
       
      スコールズ(18) キャリック(16)

 エブラ(3)               ブラウン(6)
     ヴィディッチ(15) ファーディナンド(5)


         ファン・デル・サール(1)
     
【得点】
3分 テベス

【交代】
46分 キャリック ⇒ ギグス(11)
66分 スコールズ ⇒ ハーグリーブス(4)
78分 アンデルソン ⇒ ナニ(17)

【警告】
テベス、ヴィディッチ、ナニ

【退場】
90分 ヴィディッチ


※( )内は背番号

ルーニーがゴールから遠い位置に居るとちょいつらい。ボカスカシュートを打つのもリズムを作るのに一役買っていたのかな

ギグスを投入しても流れが変わらなかったのは痛い。ルーニーを元の位置に戻すのは簡単だけど、それじゃベルバトフを獲った意味が無い。

リーグ戦でどこまで我慢して使うのか......どんな風に使うのか興味が尽きない

セントラルMFが多いというのは、逆の意味で言うとコレといった人材が定まっていない証拠なのか?
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