2008年11月20日

【2010W杯】カタールvs日本【最終予選】

ドーハの地で日本がカタールを【3-0】で下す。

《得点》
◆19分 日本 【得点者:田中達也】
中盤から内田がカタールDFの裏へボールを蹴る。そこへ猛ダッシュした長谷部でしたが一歩届かず、それに釣られてカタールDFもボールを後ろ見送る。そのDFの後ろで待っていた達也がボールを拾ってPA内に深く切り込み、角度の無い位置からシュートを放つ。そのボールがGKの股を抜けてゴールネットを揺らし先制点を日本が挙げる。

◆47分 日本 【得点者:玉田】
後半開始早々、仕掛ける日本。右・中央・左と波状攻撃を展開する。その流れからPA付近中央でボールを受けた長谷部が、左にボールをはたいて、玉田がダイレクトでミドルシュートを打って追加点を決める。

◆68分 日本 【得点者:闘莉王】
CKのシュートコーナーから俊輔-遠藤間でパス交換して、俊輔がファーサイドに蹴り入れる。混戦の中、闘莉王がヘッドで押し込んで〆


『試合経緯』

 試合序盤はカタールの猛攻に浮き足気味でしたが、徐々に冷静さを取り戻して、中盤から前線でボールをキープできるようになりました。
特に序盤は相手にファウルを与えてしまいセットプレーが連続する場面もありましたが、相手のドリブル突破にも冷静に対処し、二人で前後にはさんでノーファウルでボールを取れるようになってから攻守のバランスが安定しだしました。
 ゲーム中盤以降(先制点・追加点)も攻守の切り替えの速さと、前線からのチェイシングで相手の速攻や縦のボールを容易には入れさせず、常に主導権を持ってゲームに挑めました。
 ゲーム終盤は相手のラフプレーに前線の選手が苦しめられましたが、上手く時間を使いながら中盤以下の守備の負担を極力減らすハードワークが光りました。交替選手も彼らを助け、無失点でゲームは終了。



『守⇔攻』

今試合もっとも印象的だったのは攻守の切り替えの速さでした。

特にカタールがドリブルでゴールに向かって突っ込んでくる場面は、相対する守備陣は安易に飛び込んで抜かれないように、コースを切って攻撃を遅らせ、周りのヘルプを待つことを徹底していました。そして後ろから挟むように中盤の選手が囲い込みノーファウルでボールを奪った事が一番大きかったです。

守備の安定化が計れたことによって、そこから素早く前を向いて攻撃に移行できるパターンが構築されました。

そしてそこから出たボールを前線でキープする事ができた事も、中盤が前を向いて攻撃に参加でき、DFラインを上げる時間を作った事も忘れてはならないでしょう。



『カタールが勝てなかった理由』

日本ばっかり褒めるのも天邪鬼な私にとっては面白くない(苦笑)

カタールの視点から見てみると不思議に思う所も多々あります。


1.前線からのチェイシングの狙い目
確かに日本のDFラインに猛烈にチェイシング&プレスを仕掛けて日本はタジタジでした。苦しくなって前に蹴りだすだけのボールも少なくありませんでしたが、そのボールに対してカタールのDFや中盤の底の選手が誰も競り合わずに、日本が楽にキープする場面が多々あった事も事実です。どうにも解せないのは何のために前線からチェイシングしているのか意図が不明確な事。折角、苦し紛れにボールを蹴らせたのだから、後ろでボールをキープして、そこから二次三次の波状攻撃につなげることが出来たならば、もっと日本は苦しかったはずです。


2.DFラインの設定が深め、中底との距離が遠い
上記に関係しますが、何故か全体が間延びするこの戦術を採ったのか?
特に中盤の底との距離、バイタルエリアを開きっぱなしにして、そこを日本に使われると考えなかったのか?


3.中底の能力不足
確かに日本が脅威を覚えるほど警戒する人物が多いカタールですが、その反面それらの選手を使いこなす人材が居ないことも浮き彫りになりました。特にビルドアップからのボールを受けて左右にさばいたり、ゲームをコントロールする中底が右往左往し、殆どボールを縦に入れられず、ゲームが止まってしまう事が多々ありました。
もちろん日本がそこに狙いを持ってプレスを掛けて囲い込んでボールを下げさせたりしている事は確かですが......
結局、ゲームコントロールのために前に張っていたハルファンを度々下げさせて、危険な位置から遠ざける事に成功した事は言うまでもありません。


4.中盤のプレッシングは緩い
前線のチェイシングは凄かったけど、肝心の中盤はほぼノープレッシャーに近かったです。確かに日本のパスワークが優れていて手も足も出なかったとしても詰めの甘さは見過ごせません。


5.ドリブルでゴールに直進
殆どのドリブルが単独でゴールに向かって直進するものばかり。周りを使ってコンビネーションで抜けるとか皆無。サイドからの展開やクロスボールもナシ。個人頼みというか連係らしい連係なんてない。単独で突っ込んでくる芽を慎重に取り除けば怖くない相手。


カタールって一体何をしたいのかが分からない。確かにメッツによってここ最近の戦術を与えられてはいるけど、それを自分達で飲み込んで実行しているとは到底思えない。逆に言えばそれほど日本が際立って見えたとも言えますが......



『今後の展望』

《カタール》
穴は大きいけど、中盤が整えばやっぱり脅威である事は確かです。帰化選手を大量に投入する事は考えられますしね。メッツ監督のこの短期間での手腕を見ても、個人から集団への意識の転換時期にあるとも言えます。特に前線からのチェイシングは脅威でした。ただカタールがじっくり腰を据えて強化する気があるのかが気になるけど、メッツも直ぐに解任なんて事になるかもしれません。


《日本》
俊輔曰く“オシムさんがやってきたことがいい方向に来ている”って岡ちゃん涙目(苦笑)

大きな流れとしての方向性はオシムさんの考え方が定着しているという事でしょう。その中でゴールへの方法論として、安定した守備からゴールを目指す岡ちゃんのオレ流と、ゴールから逆算して物事を考えるオシムさんの方法論の好き嫌いが分かれるぐらい。

それ以外の日本人の特性を生かした戦術などは一致していると思いたい

俊輔&遠藤がそういうやり方を好んでいるから仕方なくとも考えられるけど(苦笑)

U-19のロンドン五輪メンバーを代表に組入れる話も挙がっているようです。確かに遠因として香川を無理に引っ張ってきて、長年続いたU-20W杯の道を閉ざしたりと、期待される世代の経験を無にした責任は少なくないでしょう。しっかりと戦力になるように不測の事態にも備えられるような合宿にして欲しいですね。ただのパフォーマンスとしての顔見世ならばやる意味も無い。



日本:Formation】


         玉田(11)  達也(8)
  大久保(16)            
                    俊輔(10)
              長谷部(17)
         遠藤(7)
   長友(15)              内田(3)
         闘莉王(4)  寺田(2)


            川口(1)

【得点】
19分 達也
47分 玉田
67分 闘莉王

【交代】
71分 達也 ⇒ 松井(9)
88分 大久保 ⇒ 岡崎(13)
92分 玉田 ⇒ 寿人(12)

※( )内は背番号

今日の俊輔は攻撃に貢献するよりも守備に貢献する方が多かった。ゲームメイクに徹して後ろに控える事が多かった。これがカタールの混乱を招いたとも言えます。前に出てこない、ポジションは右左と動くので捕まえられなかった。

大久保が3トップ気味に必ずPA内にFWの二人と飛び込むことが多かった。またポジションも左サイドに張り付くばかりでなく色んな所に動く、それに呼応して俊輔が左に行ったり、玉田が左に張ったりと掴み所がなかった攻撃陣

長谷部の攻守の動きが随所に目立った。特に先制点に繋がる縦への突進は達也のアシストになった。            

長友・内田ともに両サイドを満遍なく使えた。そしてやっつけのアーリークロスが減って厚みのある攻撃ができた

遠藤や俊輔が出っ張って随時攻撃に参加しなくても流れの中から得点できたのは非常に自信に繋がる。

交代で入ってくる人材も豊富になりつつある。松井が途中投入なんてちょっと豪華すぎる



カタール:Formation】


            セバスチャン(18)
   モンテシン(11)            イスマイール(17)

             ハルファン(14)

        マジディ(5)      タラル(15)
  
アブダウード(6)               メサド(2)
      アブドゥルマジェド(4) ラジャブ(16)

              サクル(1)

【得点】
なし

【交代】
59分 イスマイール ⇒ アリベシル(9)
68分 モンテシン ⇒ アブドゥルラーブ(10)
80分 マジディ ⇒ マジド・ハサン(12)

※( )内は背番号






posted by Daft at 13:39 | Comment(2) | TrackBack(14) | 岡田J | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
カタールに関する記述もおもしろかったです。
メツは良い監督だと思うんですけどねぇ。

Footと言う番組で、倉敷さんが「帰化した南米の選手の悪いところ(集中力をなくすところとか)が出たって言ってたんですけど、なる程って思いましたよ。
Posted by goleador14 at 2008年11月22日 14:45
goleador14さんへ

こんにちは。
ブルーノ・メツ監督は確かにかなりの部分でカタールの手直しに着手した形跡は見られるけど、それが成功した部分と出来なかった部分がモロに出たわけで......メツ監督の首が最終予選の結果に係わらず長い目を見たものであるならば、日本が今回のように勝てる見込みは無いかもしれません

あのエメルソンを見ても分かるように、やっぱり単独で突っ込んで行く選手しか帰化させていないのが悲しい所。ドリブルで突っ込んでくるのも、抜く意識よりもファウルを貰ってFKで得点の方が意識が強いのかもしれない。連帯感とかチームの和とか無縁なのかもしれませんね。
Posted by Daft at 2008年11月22日 15:16
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