天皇杯決勝、ガンバ大阪が柏レイソルを延長戦の末【1-0】で下す。
《得点》
◆116分 ガンバ大阪 【得点者:播戸】
PA付近で遠藤⇒倉田とショートパスを繋いで、PA内の播戸にボールが渡る。シュートを放つが柏DFのシュートブロックに阻まれる。しかし、コボレ球が再び播戸の足元のこぼれる。素早く振り抜いたボールが柏の堅守を突き破って待望の先制ゴールを得る。
《試合経緯》
心身ともにフレッシュなレイソルがガンバを圧倒し、序盤は主導権を握っていましたが、のらりくらりとガンバにかわされ、じわりじわりとガンバペースに持ち込まれていました。
後半、フランサ&李と先手先手で仕掛けてきたレイソルでしたが、逆にそれが足枷となって、前線からの豊富な運動量が失われ、ガンバの中盤を楽にさせてしまいました。90分勝負でなく、120分、PK戦を睨んだ戦いを想定していたガンバが、レイソルを心身ともに逆転する形になりました。
圧倒的なボール支配を背景に、自分達の戦いに持ち込んだガンバが、途中投入の播戸の活躍もあり、貴重な先制点を守り抜いて、長い激闘の末、天皇杯を制覇しました。
『15分間の攻防』
前半の15分間が、この試合もっとも重要な時間でした。
この試合、両チームの心身の差がもっとも大きく開いていたのはこの時間帯だけでした。
明らかに体が動かないガンバと、キレキレのレイソル
もし勝負を仕掛けるならば、ここにフランサ&李を投入すべきでした。この時間帯にレイソルが先制点を奪っていたならば、ガンバの精神的なダメージは計り知れなかったでしょう。
この時間帯を、GK藤ヶ谷のファインプレー等で凌ぎきったガンバは、その後無理をしてペースを上げる事無く体力を温存したまま、90分~120分の戦いを見据えたプラン通りの戦いを演出できました。
この15分間で魔法が解けたようにレイソルの勢いは失われ、運動量がガンバと同等かそれ以下に下がってしまったのは、悔いが残ります。
『フランサの功罪』
フランサのボールの扱い方やパスセンスは、このピッチの中でもずば抜けた存在でしょう。
ただ、それを最大限に生かすためには、周りはボールが来ると妄信的に信じて全力で走らなければ意味がありません。
PA内やゴールに近い場所ならば、それほど問題は大きくありませんが、フランサが中盤に下がってボールを貰いに行きゲームを作る段階に介入すると話は別で、もう一度どこかでフランサにボールを預ける場面を作るか、自力でゴール前にボールを運ばない限りチャンスは演出できません。フランサがゴールからの距離が遠ざかるにしたがって、周りの走る距離が長くなる(もちえろ守備に戻る距離も遠くなる)し、フランサにボールを預けた分、全体的に上がり目になる分、中途半端なところでボールを獲られると、絶好のカウンターチャンスを相手に与えてしまいます。
リスクを払う割には、奪われる体力との均衡が取れているかは疑問の残る所です。
フランサにボールが集中する分、ガンバも狙ってそこからボールを奪い取れるケースが目立っていました。そこからしかボールが展開されない事が原因だと思われます。そのバレバレの状況でも何とかしてしまうのがフランサですが、ゴールに近い位置ならばまだしも、遠い位置でもたれる分には、かなりキツイ圧力を掛ける事も出来ますし、一度展開してゴール前でボールを持ち直そうとするのが分かりきっている分、マークも付けやすかったのではなかったでしょうか。
フランサ投入を想定してのゲームプランもガンバは十分練っていたと思います。あまり彼自身が守備に貢献できない分、相対するガンバの中盤は余裕を持ってゲームを組み立てる事が出来ました。これによってフランサ投入の意味すら薄れるほど、ガンバのボール支配率が際立つ結果になってしまいました。どうしても運動量が無い分、他がフランサの分をカバーしなければならない状況でしたが、時間が深くなるにつれて、他の選手も余裕がなくなりましたし、交代カードを全部使い切った状況では、無理するわけにはいかないですしね。
『分岐点』
66分、レイソルが最後の三枚目の交代カードを使い果たしました。
まだ交代カードを切らずに現状のままで乗り切るガンバ。
ここで両者の立場が完全に逆転しました。
圧倒的にガンバの方が体力的な不安材料がありながらも、難所を藤ヶ谷のファインプレーに救われつつ乗り切ったガンバは、この試合初めて相手の顔を見ながら試合を優位にリードする立場になりました。
90分間にこだわって勝負に出たレイソルは、逆に焦りからプレーが直線的になりすぎて、少し自滅気味のような形になってしまいました。
レイソルもガンバと同様に120分を見据えた戦いを展開していれば、両者の立場の逆転はありえなかったはずです。
何故そこまで90分の勝負に固執したのか?
レイソルにガンバほどの体力的な不安はなかったように思います。
振り返れば、レイソルの守備も失点以外は、殆どガンバにPA内に進入させるケースもなく、PA内からのシュートは皆無に近いはず。ほとんどのシュートがPA外からのミドルシュートを打たせるに留まり、決定的にレイソルの守備ブロックが崩される場面はあまりなかったように感じます。
精神的に追い込まれる状況を自分達で作ってしまった。
攻めに出る状況を演出した分、その反動が予想以上に作用したレイソル
凄く紙一重のような気がしますね。
『展望』
◆レイソル
フランサの有無で違うサッカーをしているのは惜しい。
その落差を縮めるべき。またあくまでもフランサが+αであるサッカーを目指さないと、この先厳しい。フランサが居なくても魅力あるサッカーを作り上げて欲しい。チェンジオブペースの旗振りを誰が取るかも課題の残る所。
◆ガンバ
一年を通して同じメンバーが出続ける事の難しさを思い知らされました
ベンチを含めたサブメンバーの充実こそが最大の課題。
FW-MF-DFのどのポジションでも力を落とす事無く底上げが出来るか、これが世代交代も含めて完遂できれば、長く勝ち続けるクラブの下地になるでしょう。
世界との戦いで新たに発見し、そして吸収できた経験をどれだけ全体(スタメン+サブメンバー+ユース)に浸透させることが出来るか、ACLやJリーグにしろ、これだけガンバが研究し尽くされる状況では、来期はもっと厳しくなるのは目に見えています。
如何にその身を脱皮させながら新たなスタイルを私達の前に披露してくれることを楽しみに待ちたいと思います。
【ガンバ大阪:Formation】
山崎(30) ルーカス(9)
寺田(8) 遠藤(7)
明神(17) 橋本(27)
安田(13) 加地(21)
山口(5) 聡太(2)
藤ヶ谷(22)
【得点】
116分 播戸
【交代】
105分 山崎 ⇒ 播戸(11)
113分 橋本 ⇒ 倉田(20)
118分 遠藤 ⇒ 武井(23)
※( )内は背番号
男泣きの播戸にはちょっとうるっとしました。
満身創痍のガンバ。心身ともに疲れを抜き取って欲しいところです。
倉田も色んな所で顔を出してるし、面白いですね
【柏レイソル:Formation】
ポポ(11)
アレックス(6)
菅沼(15) 太田(14)
山根(18) 栗澤(28)
大谷(7) 村上(25)
小林(15) 古賀(5)
菅野(33)
【得点】
なし
【交代】
45分 太田 ⇒ フランサ(10)
58分 ポポ ⇒ 李(20)
66分 山根 ⇒ 石川(4)
※( )内は背番号
2009年01月02日
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