2008年12月30日

【天皇杯】横浜Fマリノスvsガンバ大阪【準決勝】

ガンバがマリノスを延長戦の末【1-0】で下し、決勝の切符を手にする

《得点》
◆116分 ガンバ大阪 【得点者:山崎】
ガンバ自陣深くからカウンターを開始。中盤でボールを受けた寺田がスルスルとマリノスのプレッシャーを避けてゴール前までドリブルで侵入する。ドリブルから一転スルーパスを放つ。それに反応した山崎がDF(中澤?)と競り合いながら抜け出す。相手より半歩先を走った山崎がシュートを放ち、ガンバが待望の先制点を得る。

《試合経緯》
 前線から猛烈なプレッシャーを掛けて、ガンバに中盤での支配権を渡さないマリノス。圧倒的な運動量と動きのキレの良さに、ガンバはただ下がり、守るだけ。マリノスの猛攻にPA内からボールを掻き出すだけで精一杯の状態ガンバでした。
 後半も、マリノスがゲームの主導権を握って試合を進めますが、要所要所を押さえられ、前半ほどのチャンスも勢いも殺される状態。逆にチャンスの数ではガンバの方が圧倒していました。
 90分で決着できず延長戦に突入。圧倒的な不利な状態からこの試合に望んだガンバでしたが、気がつけばマリノスの運動量も目に見えて落ち、延長前半に清水が退場処分になってからは、立場が全く逆になりました。延長後半にガンバが貴重な先制点を奪って、そのまま逃げ切り、辛くも決勝の切符を手にしました。


『満身創痍』

見るのも辛くなるほど、ボロボロのガンバ。

特に前半は、動きも判断力もチグハグで、心と体が別離しているかのようでした。何とか執念でボールを追いかけて、PA内からボールを掻き出して得点を許さなかった。まさに勝利への執念・貪欲さだけでピッチに立っているそんな状態に見えました。

二月のパンパシフィック選手権に始まり、Jリーグ・ACL・ナビスコ杯・天皇杯・CWCと、一年を通して戦うとこうもボロボロにチームがなるのが分かります。これに加えて個人では五輪代表や日本代表の試合もあったわけで、どこか体が痛んでない方がおかしいくらいです。

別に、試合数を減らせとか言いたい訳ではなく、このような戦いを質の違いはあっても欧州や南米の選手は戦い抜いた歴史があり、その中から得るものが必ずやあったはずです。

クラブチームとして、短期間で選手の疲労を取り除く術が洗練されたり、怪我からの早期回復の術が発展したり、トレーニングによって怪我をしにくい体のケア方法が発達したりと、何もかも悲観的に捉える必要もないかもしれません。

選手個人も一年を通して得た経験で《抜く》タイミングも分かったはずです。これは来期以降も活かせる経験だと思います。

※レッズの鈴木の例もありますし、どのチームでも体のケアに関しては細心の注意を払って欲しいですね。



『マリノスの勝機』

どんなに贔屓目にガンバを見ても、この試合のガンバを見る限り、そこに勝機を見出す事は非常に難しかったです。

それほどにマリノスのプレッシャーが凄まじく、何時ガンバが自滅してもおかしくはなかった状態でした。

ただ後半に入ると様子が一変して、じわりじわりとガンバのペースに嵌って、いつの間にか試合が拮抗状態になっていました。

マリノスの勝負の決め所は、全体をコンパクトに圧縮状態を保ったままスペースを消し、ガンバに自由を与えない事。そしてガンバの縦パスを防いで横パスをさせてジリジリと下げさせる事をコンセプトにこの試合に望んだはず。

それがいつの間にか、ガンバの縦パスに押し広げられ、カウンター合戦に付き合って全体が間延びして、余計なスペースを与えて、体力までも喪失する始末。ガンバに勝てる見込みを与えてしまいました。

前半のような戦いを続けていれば、先に潰れていたのはガンバなのは明白だっただけに、ちょっと残念ですね。



『勝機を見出したガンバ』

この試合の最大の勝利の要因は守備そのものでしょう。

攻撃こそ最大の防御を地で行くガンバにとって嬉しい誤算なのかな

この一年を通してもっとも成長したのが守備でしょう。

あらゆるスタイルに対応して、その中から得た経験がココに来て目に見える形に昇華できました。

特に要所要所でのタイトで粘り強い厳しい守備は、再三のマリノスのチャンスを尽く潰しました。特に後半は全くマリノスに勝機がなかったと言えます。

やっぱり勝負所でのあらゆるスピードの差があったことは事実でしょう

フィニッシュへ向かうスピードの落差の付け方、ギアチェンジの有無、組み立てからフィニッシュまでずっと同じスピードで行えば、ガンバにとって見れば何とも気が抜ける攻撃だったかもしれません。

フィニッシュ以外は完璧にガンバを押さえ込んでいたマリノスも、フィニッシュでの技術・判断力のスピードが、ガンバの守備陣を凌駕できませんでした。



『決勝への展望』

今日のガンバを見る限り、本調子のサッカーからは程遠い内容です。それは西野監督も認める所で、今は何よりもスタイルより勝利の結果こそが優先されるオートマティックに勝てることこそが最大の目標でしょう。

しかし、試合後の選手を見る限り、まさに『野戦病院』状態のチーム状況は、何か奇跡を待つ心情でしょう。

ただ勝ちたい。ACL&CWCへの欲だけが彼らを奮い立たせ、前に進めて居るのでしょう。

来期のACLを出場権を考えれば、ガンバが勝つ事が望ましい気もしますが、正直今の状態から全回復は非常に厳しい

圧倒的にレイソルが有利なのは変わりないでしょう

どちらがどれだけ勝ちたいかが素直にピッチにサッカーに表現される試合になるでしょう。非常に泥臭い試合になるかもしれないし、あっさり決着がつくかもしれないし......今日ガンバが勝った事がある意味サプライズなだけに予想がつけにく。



横浜Fマリノス:Formation】


            金根煥(38)
       兵藤(17)       狩野(14)

  小宮山(13)               田中隼磨(7)
         小椋(30)  長谷川(29)

    田中裕介(26)  中澤(22)  栗原(4)

          
             榎本(1)

【得点】
なし

【交代】
67分 田中隼磨 ⇒ 清水(18)
67分 金根煥 ⇒ 大島(15)
82分 兵藤 ⇒ 山瀬(10)

【退場】
102分 清水

※( )内は背番号

いつ見ても歪なシステムに感じるな~

延長戦に持ち込まれて先に潰れてしまったマリノス。相手に疲れたところを見せ付けて、ガンバに勢いを渡してしまいました。

そんな中でも中澤だけがピンピンしてましたが......鍛え方が違うのか全く別次元。中澤も代表戦とか試合数とか洒落にならないほど多いのに、若い選手が先に潰れてしまうのはちょっと......

中澤は本当にこのチームに居続けても良いのか? 
なんだか勿体ない気もします。中村俊輔加入のダシにされてる感じもしますね。その俊輔もこの経済状況でマリノスが抱えられるのかも疑問



ガンバ大阪:Formation】


        山崎(30)  播戸(11)
  ルーカス(9)           橋本(27)

        明神(17)  遠藤(7)

  安田(13)             加地(21)
         山口(5) 聡太(2)


           藤ヶ谷(22)


【得点】
116分 山崎

【交代】
45分 播戸 ⇒ 寺田(8)
76分 遠藤 ⇒ 倉田(20)
111分 橋本 ⇒ 平井(14)

※( )内は背番号

遠藤はちょっと深刻。ぴっちに立っているだけで精一杯

遠藤の代わりに入った倉田の守備から、ガンバの空気が変わりました。この若さとフレッシュな勢いで流れにガンバに傾いたとも言えます。

未知数のサブメンバーの若手がどれだけやれるのか。あとは遠藤がどれだけ奇跡的な回復が出来るかが見所

今日も最後は決めた山崎。何かが飛びぬけて凄いわけではないけど、相手より半歩先に出て、きっちりシュートを打てることこそが最大の強み       
着実に積み重ねた実績と信頼が、爆発する可能性もある山崎。

2008年12月26日

雨:CWCを振り返って

熱中した時期も過ぎ脱力気味ではありますが、CWCをさらっと思い返してみたいと思います。


『定規』

今大会のハイライトは【マンUvsガンバ】でしょう。
自分達の最大の武器である攻撃に特化した試合内容に持ち込んだガンバと、それを真正面から受けて立った上で思いっきり強烈な攻撃で倍返ししたマンUの戦いは単純に面白かったです。

かなり捨て身気味の攻撃に終始したガンバではありましたが、それでもマンUにいなされる程度だったのには世界との差を痛感しました。

ただ90分間全力で戦えたガンバは賞賛されるべきでしょう


マンUが7割の力で10割のガンバを圧倒する


10割のガンバにJのチームを対戦させた時を考えると自ずとプレミアのトップチームの実力が想像できます。

そう考えると10割のマンUって想像がつかない気もします。今年のチェルシーとのCL決勝は10割だったでしょうけど、なんだか凄すぎて想像の範疇を超えている気がします。そう考えると7割から10割の間はものすごく間が広いように感じますね(苦笑)

それはさて置き、ガンバ以外のチームにとっても自分達の身近に、自身の実力を測る定規が存在している事は良い刺激になるでしょう。そして見る側も非常に分かりやすくなったかもしれません。



『ガンバの評価・遠藤の評価』

仕方ないとは言え、あれだけの試合をしてもガンバや遠藤の報道が少ない気がします。TV局の報道がマンU、特にC・ロナウド一色だったのにはガッカリ。その上遠藤はコロコロPKしかピックアップされてないし(苦笑)

もっと遠藤の評価が上がっても良さそうなのに、中々ガッと盛り上がるような感じがないのは残念。代表にクラブにドイツW杯後の活躍はもっとピックアップされてもいい気がします。どうしても欧州>Jリーグの構図がそこはかとなく出来上がってきつつあるのは残念です。

せっかくオシムがその図式を壊したのに......

西野監督にしても次期代表監督候補に挙げる声が出たりと、もうちょっと冷静に見る目が必要な気がします。

ここでも気になるのは代表監督>Jクラブ監督の図式

この犠牲になったのはジェフ千葉でしょう。

確かにオシムを代表監督に迎えて得るものは沢山ありましたが、ジェフ単体で考えれば、シーズン途中で周りに包囲網を敷かれた上での監督略奪はその後の苦しい戦いを見れば、いかにダメージが深かったか分かります。川淵キャプテンの安易な発言からのこの一連の流れは、やはり教訓としなければならないでしょう。

西野監督を考えると、このままガンバで選手育成とチームの成熟に携わった方が良いような気がします。本人がそれに飽いているならば別ですが......

この大会を機に周囲のガンバを見る目が変わることは確かでしょう。

その評価を裏切らない戦いを彼らにはして欲しいです

そしてレッズ・ガンバに続くJチームが出てくることは確かでしょう。代表チーム以外でこれだけピックアップされる機会はそうそうはないですし、世界のトップチームと戦える機会なんて代表の試合でもそうそうはないですしね。



『CWCの将来』

ハイライトが準決勝というのも残念な気がします。

確かにファーガソン監督が言うとおり決勝に相応しい熱い戦いには程遠いかったです。ガンバを褒めたくなるのも分かる気がします。

それと同時に欧州とその他大陸との明らかな差は目に余るものがあります。

今現在の方式では、これから先の盛り上がりには欠けるでしょう。

そうなると考えるのが、出場チームの拡大と大会期間の延長

世界的な主導権を握りたいFIFAにとってはどうにかして足がかりをつけたいはず。ただ欧州が素直に首を縦に振る事は考えにくいけど......

欧州での評価が低いCWCをどうやって彼らに納得させるか

これ以上の試合増を選手やクラブ、各国代表などにどうやって納得させるのか。

そしてチャレンジャーの国(アジア・アフリカ・北中米・オセアニア大陸)のレベルアップが問題でしょう。欧州や南米の国々を納得させるだけの力をつけない限りCWCの発展はないでしょう。いつ何時かつてのトヨタカップ方式に戻そうと言われてもおかしくない事だけは確かです。


来年からは日本を離れるCWC

トヨタカップから暖めたこの大会は一体どこに向かうのか

そして日本にとっては、Jリーグの継続的な発展の為にも続けてこの大会に出場する事が何よりも大事です。アジアの中でも存在感を高める為にも是非とも来年のCWCにもJのクラブの名前が在りますように願うばかりです。
タグ:CWC

2008年12月22日

【Final】リガ・デ・キトvsマンチェスター・ユナイテッド【FIFA Club World Cup Japan2008】

南米対欧州のCWC決勝
マンチェスター・Uがリガ・デ・キトを【1-0】で下す。

《得点》
◆73分 マンチェスター・U 【得点者:ルーニー】
キャリックのパスをPA付近ゴールからちょっと左でボールを受けたC・ロナウドが、仕掛けてシュートを打つと見せかけて、ちょこんと左にパスを出す。そこに後ろから駆け上がっていたルーニーが、右足で強烈だけどコントロールされたシュートを放ってマンチェスター・Uが先制する。

《試合経緯》
マンUが攻めてキトが受けて守る構図。
キトに分厚く守られて、チャンスは作るけど肝心な所で楽にシュートを打たせてもらえないマンU。少し全体的に鬱憤が溜まっているように感じられる前半でした。
後半立ち上がり、それが悪い方向に出たのがマンUでした。ヴィディッチの肘打ちによるレッドカードで一気に形勢が逆転してしまった両者。
ただ、幸か不幸かマンUが10人になった事により、守りを解いて前に出てきたキト。それによって全体的にスペースが空くと同時に、マンUの集中力も今までになく高まり、カウンターの冴えも見せだします。
途中両者共に膿んだ試合展開はありましたが、ルーニーの先制点を得たマンUが、ファン・デル・サールを中心とした堅守で最後まで粘り強くキトの攻撃を防いで、世界一の称号を勝ち取りました。



『マンUはプレミア仕様』

流石に決勝は通常仕様に近い型に戻してきました。
アンデルソンの起用はちょっと意外でしたが、テベスと同様に南米対策の意味もあるのかなと一寸考えました。

懸念のサイドの空いた椅子もほぼ今シーズンはパクが、第一のレギュラーを勝ち取ったと見て良いでしょう。

それにしても、すべてに於いて一段・二段階ギアを上げてきたマンU。
さらにゴール前ではそれにもう一段階ギアチェンジして、尋常じゃないスピードの中で、正確なテクニックと体の強さ、判断力の速さは桁が違うとあらためて感じさせられました。

確かに中田ヒデの言うとおり、ガンバ戦はやっぱり6~7割の力だったのかと唸るばかりです(苦笑)



『リガ・デ・キトの誤算?』

前半はキトのプラン通りの展開で試合が進みました。
後半、マンUが10人なって少し欲が出たのか、守りを解いて前に出てきたのは、果たして良かったのかどうか。

このトラブルで前に引き出されて、前がかりになった所をマンUに突かれて失点してしまっていますし、この展開はキトにとっては決して良い展開ではなかったのではないでしょうか。

前半と同じように守りを固めてPK戦に持ち込む展開ならば......

ただチャンスに前に出るなと選手に言う方が無理な話かな


『大会MVPのルーニーとC・ロナウド』

今大会のルーニーはキレキレでした。
後半、SHに下がってゴール前から遠ざかり、マンUも打つ手が無いのかなと思った時間にルーニーが決勝弾を叩き出しました。

前半からDFライン裏への飛び出しや、切り返しの鋭さ、シュートのインパクトなど節々に切れの良さを見せ付けてくれました。

その一方、C・ロナウドの不調も浮き彫りになりました。
特に後半、センターでボールを受ける時に膝から崩れるように倒れる場面もあり、明らかに体力がないのが分かります。

昨年ならば確実にシュートを狙っている場面でも、パスを選択したりと何かがおかしい気がします。

未だに手術した怪我の回復が万全でないのか、昨年からの酷使した体の疲れがとれていないのか状態なのか、ちょっと心配ですね。



欧州勢が二年連続タイトルを獲得しました。

これによってCWCの価値が今まで以上に上がったことは確かでしょう。

来年からはCWCは一旦日本の地を離れます。

日本勢も来期に向けてより一層厳しい戦いに晒されるでしょう。

さてはてどんな戦いが来年は繰り広げられるのか......



リガ・デ・キト:Formation】

            ビエレル(16)

             マンソ(21)
  ボラーニョス(7)           レアスコ(13)

      W・アラウーホ(15)  ウルティア(8)

  カルデロン(14)            カンポス(23)
       N・アラウーホ(2) カジェ(3)


            セバジョス(1)

【得点】
なし

【交代】
77分 カジェ ⇒ アンブロッシ(4)
82分 レアスコ ⇒ ラレア(20)
87分 ボラーニョス ⇒ ナビア(19)

※( )内は背番号


マンソ以外はこれといってあまり目立ったなかった



マンチェスター・ユナイテッド:Formation】


        ルーニー(10)  テベス(32)
  C・ロナウド(7)            パク・チソン(13)

        アンデルソン(8) キャリック(16)

   エブラ(3)               ラファエル(21)
       ヴィディッチ(15) ファーディナンド(5)

          ファン・デル・サール(1)


【得点】
73分 ルーニー

【交代】
51分 テベス ⇒ エバンズ(23)
85分 ラファエル ⇒ ネビル(2)
88分 アンデルソン ⇒ フレッチャー(24)

【退場】
49分 ヴィディッチ

※( )内は背番号


試合後のファーガソン監督の会見で
【ガンバ大阪についてはたたえなければならない。非常に質のいいチームだ。特に遠藤。キトの中で遠藤くらいのクオリティーの選手はいなかった。ガンバ大阪の選手たちの質の高さについては、たたえられるべきだと思う】とのコメントがありました。
遠藤の名前を出してまでという所がちょっと嬉しいですね。

そこまでキトを貶さなくてもと思うところもありますが(苦笑)

ちょっとテベスの交代は残念であり、悔しいだろうなと推察します。

試合後のお祭り騒ぎで、エブラがチームメイトにいじくられているのが意外でした。ファーガソン監督にもどつかれるぐらいだから愛される性格をしてるんだろうなと、ちょっとホンワカしました(笑)

ルーニーも試合中に見せる厳しさとは別に、その後の印象は愛くるしいの一言です。

【Match for third place】パチューカvsガンバ大阪【FIFA Club World Cup Japan2008】

CWC 三位決定戦
ガンバ大阪がパチューカを【1-0】で下す。

《得点》
◆29分 ガンバ大阪 【得点者:山崎】
橋本からのパスを受けた播戸が、ダイレクトでDF裏へ浮き球のパスを送る。それに反応した山崎が冷静にこれを決めてガンバが先制する


《試合経緯》
ガンバのサイドアタックを警戒したのか、今大会初めて4バックで臨んだパチューカ。少し守備に重点を置いている節も見られますが、相変わらずのボール支配率を誇ります。ただ、DFラインでのパス回しに追いやられているとの見方もできます。ガンバ大阪の前線からの猛烈なチェイシング&プレスに、中盤で思うようにゲームを組み立てられませんでした。ガンバはパチューカから中盤で幾度となくボールを奪って速攻をかけてチャンスを作り、ゲームの主導権を握りました。
後半はガンバの運動量も落ちて、前線からのチェックやパス回しに対してのチェックが遅れて、パチューカにゲームの主導権を譲り渡した場面もありましたが、最後まで粘り強く守り通して勝利を手に入れました。



『パチューカの頑固さの良し悪し』

パスサッカーを標榜するパチューカ
ガンバもパスサッカーを目指し、同じカテゴリーに入るかもしれませんが、両者の毛色はかなり違うように感じます。

パチューカはメキシコサッカーの基本とも言える
トライアングルを形成して、その枠組みでパスコースを幾重にも作りながら、ゴールを奪うスタイルです
このスタイルを支えるのは、ボールを失わない・ボールをきちんと味方に繋ぐテクニックと、常にトライアングルを作り続ける運動量です。

ちょっと気になったのは、パチューカがシュートパスが届く範囲の小さなトライアングルに固執しすぎる事

絶好のカウンターチャンスの場面でも、ショートショートで手数をかけてパスを繋ぐ間に、相手の守備が整ってしまい自分達でチャンスを潰している場面が多々ありました。
もっと大きなトライアングル(ミドル・ロングパス)に目を向けても良かったでしょうし、トライアングルを作るスピードをもっと速くする事も出来たのかもしれません。メキシコらしい素早いドリブルもあまり見られませんでしたし、全体的なスピード不足も感じました。

もっと臨機応変に小・中・大とトライアングルを客観的に見る人材が居ればもっと違った結果も生まれていたかもしれません。ちょっと頑固さもココまで来ると歯がゆく感じます。

その意味では臨機応変に対応できたのがガンバかもしれません。



『ルーカスの万能性』

今試合、もっとも重要な選手だと感じたのはルーカスです。

前線でのポストプレーでの強さや決定力はもちろん、後ろに下がっての中盤での働きやチャンスを演出するパス、そして守備まで、多岐に渡ってその能力を十二分に見せ付けました。

二川や佐々木の離脱で苦しい中盤の台所事情を助けました。

ただ、やはり前線で動かした方がより強く得点の匂いが感じられる事は確かです。彼を前線の仕事に専念させるような中盤の人材の育成が急務ですね。それはベンチの層の厚さを充実させるのはもちろん、来るべき未来の世代交代に備える段階に来ていると私は感じました。

ただそのルーカスも、これまでのガンバから考えて、海外クラブに引き抜かれないとも言い切れません。それに備えた前線の補強や育成も頭に入れないといけないし......西野監督の悩みの種も尽きませんね。



『決めるべく所で』

終盤のパチューカの必死の攻撃にはヒヤヒヤしました。
〆の追加点をキッチリ決めていれば、ここまでアタフタする事もなかったでしょうに。

ゴール前でのチャンスは明らかにガンバのほうが多かったように感じますが、シュートへ持ち込む前に潰される場面も多かったです

これはシュートレンジ(確実にゴールできる距離)の問題なのか、そのチャンスの場面における体の動きのスピードや正確性の問題なのか、決断力などの判断する力やその速さなのか、それとももっと別の何かが足りないのか......

今打てる手は、とにかくチャンスを今以上に作り続けて、得点機会での経験値をアタッカー陣に与えることなのかな。その中で成長を促す・洗練させる・淘汰するしか手が無いのかな。

与えられた得点機会に臆する事無くシュートを打つ事から始めないと何も始まらないとは思うのですが......




とにもかくにも、ガンバが日本をアジアを代表して三位を確保した事は喜ばしい限りです。昨年のレッズに続いてクラブ単体で世界との基準を計れる機会が作られた事はクラブにもJにとっても目安が出来ただけに、他のクラブチームにとってもモチベーションを高める大きな目標が出来たはずです。ガンバはこれから天皇杯を勝ち上がって優勝しなければ来期のACLの出場権が無い状態ですが、その他のチームは着々と来期の構想を練っている状態でしょう。レッズ、ガンバと来れば次は鹿島なのかな、川崎もACLは経験済みなので戦い方は分かっているでしょう。名古屋はJとの両立を計りながらの苦しいシーズンになりそうですね。


CWCの全体の総括でまたこれに触れたいと思っています。



パチューカ:Formation】


        アルバレス(7)  クリスティアン(10)
  カルデナス(11)                ヒメネス(19)

          コレア(6)  カバジェロ(8)
  ロドリゲス(16)                アギラル(22)
          ペレス(4)  ロペス(2)

              カレロ(1)

【得点】
なし

【交代】
46分 カルデナス ⇒ トーレス(18)
51分 アルバレス ⇒ モンテス(15)
74分 カバジェロ ⇒ マニョン(29)

※( )内は背番号


ガンバ大阪:Formation】


        播戸(11)  山崎(30)
  ルーカス(9)           橋本(27)
        
        明神(17)  遠藤(7)
   安田(13)           加地(21)
        山口(5)  中澤(2)

           藤ヶ谷(22)

【得点】
29分 山崎

【交代】
64分 播戸 ⇒ 二川(10)
77分 ルーカス ⇒ 武井(23)

【退場】
90分+ 二川

※( )内は背番号
  

2008年12月19日

【Semi Final】ガンバ大阪vsマンチェスター・ユナイテッド【FIFA Club World Cup Japan2008】

マンチェスター・ユナイテッドがガンバ大阪を【5-3】で退ける。

《得点》
◆28分 マンチェスター・U 【得点者:ヴィディッチ】
CKからギグスの正確なクロスボールにヘッドで合わせたヴィディッチがヘッドで押し込んで先制

◆45分 マンチェスター・U 【得点者:C・ロナウド】
CKからギグスの正確なクロスボールに合わせたC・ロナウドの打点の高いヘッドが決まって追加点

◆74分 ガンバ大阪 【得点者:山崎】
右サイド中盤奥からの遠藤のミドルパスに、前線に飛び出した橋本が反応して、そのまま並列して走っていた中央の山崎にパス。山崎がこれを冷静に決めてガンバが一点を返す。

◆75分 マンチェスター・U 【得点者:ルーニー】
フレッチャーの縦パスに反応したルーニーが、DF中澤をかわして冷静にシュートを決めて追加点

◆78分 マンチェスター・U 【得点者:フレッチャー】
エブラが左サイドを突破。ルーニーも中央を突進する。これに釣られてDFが引っ張られて下がりエアポケットが出来る。そこに二列目から飛び込んだキャリックが、エブラからのクロスボールをヘッドで押し込んで追加点。

◆79分 マンチェスター・U 【得点者:ルーニー】
ギグスのスルーパスを待ちながら、ガンバDFライン上で踊るように抜け出すタイミングを計り、オフサイドトラップの網を掻い潜ってGKの股を抜くシュートで追加点

◆85分 ガンバ大阪 【得点者:遠藤(PK)】
播戸が上げたクロスボールがG・ネビルの腕に当たってPK獲得。
遠藤が必殺コロコロPK(若干強め)をファン・デル・サール相手に決めてスコアを【5-2】に戻す

◆90分 ガンバ大阪 【得点者:橋本】
マンUのビルドアップのボールをカットして素早くルーカスに送る。ルーカスが逆サイド裏へスルーパスを放つ。そこに勢い良く走りこんだ橋本がそのままシュートを放ってスコアを【5-3】にする。


《試合経緯》
前半から果敢にマンUの裏を執拗に突くガンバ攻撃陣。
マンUもこれに応じてほぼカウンターの応酬のような試合展開になる。
試合展開が落ち着いてきた頃合にセットプレー(CK)から得点を挙げたマンUが前半ロスタイムにもセットプレーから得点を挙げて、実力の差をガンバに見せ付ける。
後半の序盤は勢い良く攻めてはいたマンUも徐々にガンバの攻めに防戦一方になる。交代カードを切って再び加速をつけに来る。そんな中ガンバに一瞬の隙を突かれて失点を許すマンUでしたが、慌てる事なくその後得点を重ねて、再びガンバを突き放し試合は決したかに思えましたが、ガンバもPKと流れの中から得点を重ねてスコア【5-3】まで盛り返しますが、力及ばず試合終了。



『マンUは本気だったか?』

半分Noで半分Yesと答えます。

今期プレミアリーグでレギュラーとして使っている
【ルーニー・パク・キャリック・フレッチャー・ベルバトフ】
を外して、普段リーグ戦で控えに回る事の多い
【テベス・ナニ・アンデルソン】
を起用してきました。

その反面一発勝負のトーナメントを重視して、独特な雰囲気に飲まれないように経験豊かな【ギグス・スコールズ・ネビル】を起用して、チームを中から引き締めて、安穏とした空気が出る事を嫌った節が見られます。

今期控えに回る事の多いメンバーを起用した事からも、ファーガソン監督の裏テーマは【テベス・ナニ・アンデルソン】がどれだけパフォーマンスを発揮できるかを試した節はありますが、決して手を抜いた布陣ではないでしょう。

そして予定外?にルーニーを投入する経緯を見ても、あまりにも不甲斐無い試合内容に半ば切れて《チームに喝を入れる》《遊びじゃないんだぞ》などのメッセージが込められている気がします。ルーニーの得点はもちろん、安田に対する半ばキレ気味のファウルなど、ピッチ外から見て不甲斐無さに憤慨してのマンU自身へのメッセージ色が強く表れた行動だと思います。

生贄になった安田は可哀そうだけどある意味おいしい?



『面白かったはガンバに対して褒め言葉にならず』

西野監督の試合後の言葉にちょっと目が覚めました。

確かにガンバに対して試合後に面白かったと伝えるのは、ちょっと失礼かもしれない。面白いの意味にはマンU>ガンバの構図がその時点で出来て予想外にガンバが善戦した意味が含まれている気がする

危うく『面白かった』と書きそうになった自分がいますが(苦笑)



『届かなかったもの』

という事で《点が入ってよかったね》で終わらない為に何が出来て何が出来なかったかを見てみたいと思います。


◆出来なかったこと

1.得点に結び付けられない決定力不足
これは最初のチャンスで遠藤からの裏へのパスに抜け出した播戸が決定的な形を作りながらもGKに阻まれたのが象徴的。それがルーニーならば......は酷な話だけど、それを積み重ねないと上に勝ち上がることは難しい。

2.セットプレーでの高さや体の強さ
ヴィディッチの先制点に代表されるように明らかな高さや体の差がどうしようもない雰囲気を醸し出していました。

3.最終局面での1vs1で抜けない・勝負にならない
攻撃では一人抜けばシュートチャンスが待っている状況で相手を抜けない場面が多々。守備ではココで相手を止めなければシュートを打たれる場面で止められずに失点。

4.大事な時間帯での集中力とその持続
【2-1】とスコアを戻したけど、その後立て続けに失点を重ねて試合が崩れる。


◆出来たこと

1.チャンンスを演出する能力
遠藤のミドルパスやロングパスなどマンUと同等にチャンスを作っていました。

2.不用意なファウルで相手にFKを与えない
CK然りFKをあまり相手に与えませんでした。ほぼクリーンな守備で最後まで貫き通しました。

3.集団で相手を崩す
個人で突破できない分、集団で運動量を豊富に保ってダイレクトパスを機軸にパスワークで崩す

4.最後まで諦めない
最後までガンバスタイルを貫き通して得点を狙いに行って、その通りに得点を出来た事。



色々突っ込みどころはあると思います。

ガンバの山崎の得点や橋本の得点などは、ヴィディッチがベンチに下がって殆ど試合で使われる事の無いエバンスが入った後の得点だとか

ルーニーやフレッチャーなどのレギュラークラスが出ると手も足も出ないとか

中盤を殆ど無くしたようなカウンター合戦のようなゲームがガンバの理想なのか?


ただ動かしようの無い事実は、ルーニーの投入と彼のピッチ上での本気度。そして三失点後のファン・デル・サールがイライラしてゴールポストを蹴った事


正直、戦前の私の予想は【5-1】で一点でもガンバがどんな形であれオウンゴールでもマンUから得点を取って欲しいという何とも卑屈な願いでした。それを覆すスコアは日本も出来るのかというものでした。チャンスを作る所までは出来る......あとはシュートをどうやってゴールに押し込めるかが問題。凄く単純だけど一番難しい問題(苦笑)

守備に関しては身体能力で完全な選別をどこかで計らないとこの差は埋まらない気がします。特にGKとCBは身長を基準に鬼になって選別する時期なのかも......



ガンバ大阪:Formation】


        播戸(11)  山崎(30)

      ルーカス(9)
                  橋本(27)
       明神(17)  遠藤(7)
   安田(13)             加地(21)
         山口(5)  中澤(2)
  
           藤ヶ谷(22)

【得点】
74分 山崎
85分 遠藤《PK》
90分 橋本

【交代】
85分 播戸 ⇒ 寺田(8)

※( )内は背番号

3,4,5失点は余計でした。そこら辺の守備の集中力をどうやって保つかが問題。

このガンバスタイルを貫く為にも交代メンバーも含めた一層のレベルアップが必要。特にサブ組みのレベルアップは、長いシーズンを戦い抜く上で必須。 



マンチェスター・ユナイテッド:Formation】


            テベス(32)

     ナニ(17)   ギグス(11)   C・ロナウド(7)

      アンデルソン(8)  スコールズ(18)
 エブラ(3)                  G・ネビル(2)
      ヴィディッチ(15) ファーディナンド(5)

         ファン・デル・サール(1) 

【得点】
28分 ヴィディッチ
45分 C・ロナウド
75分 ルーニー
78分 フレッチャー
79分 ルーニー

【交代】
68分 スコールズ ⇒ フレッチャー(24)
70分 ヴィディッチ ⇒ エバンズ(23)
74分 テベス ⇒ ルーニー(10)

※( )内は背番号

テベスは調子悪いな......

ナニ&アンデルソンは頑張らないと椅子が無いよな......

ヴィディッチの代わりにオシェイでも良い所をエバンズにしている辺りに余裕を感じる。

ただルーニー投入は予定外だと思う。もしくは肩馴らし程度の投入なのかな?

C・ロナウドの全開の動きはこの試合一回だけ?
ドリブルで突っ込んでPA内で切り替えしてシュートを打った場面は100%の力を出していたけど、それ以外はずっと慣らし運転だった気がする。            

2008年12月18日

【FIFA Club World Cup Japan2008】パチューカvsリガ・デ・キト【Semi Final】

リガ・デ・キトがパチューカを【2-0】で下す
南米王者のキトが決勝に駒を進める。

《得点》
◆4分 リガ・デ・キト 【得点者:ビエレル】
パチューカのゆっくりとしたビルドアップを狙ってプレスを仕掛けるキトが、ボールを奪ってそのまま素早くカウンターに移行。マンソから絶妙のパスで抜け出したビエレルがPA内に進入。シュート体勢に移るがパチューカDFにスライディングでボールをカットされるが、そのボールが後ろで詰めていた味方DFに当たって跳ね返り、ビエレルに絶妙のスルーパスとなって渡る。シュートブロックに若干前に飛び出していたGKを避けてビエレルが先制点を決める。

◆26分 リガ・デ・キト 【得点者:ボラーニョス】
マンソの機転によりパチューカDFの手にボールを当ててFKを得る。
パチューカの壁の前にキトも壁を作って、キッカーの蹴りだすタイミングを計らせない。そんな中ボラーニョスが絶妙のテクニックで素早く決めて追加点を得る。


《試合経緯》
パチューカのゆっくりとしたパス回しに、前線からのプレッシングから素早い縦のカウンターを幾度と無く得点チャンスに結びつけるキト。
一方のパチューカは圧倒的なボール支配率を背景に、余裕を持って攻めたい所でしたが、肝心な所で細かいミスが目立ったり、ビルドアップの段階で横パスをカットされたりと、キトの守備ブロックを攻略する以前に足元をすくわれる状態でした。
最後まで粘り強く守り抜いたキトがパチューカを退けて、決勝で次の対戦相手を待つことになりました。



『またしても......』

ツキがないとはいえ、またしても試合開始早々の失点。
パチューカ攻略の一つの手段であったとしても、前線からのプレス&チェイシングからボールを奪って素早いカウンターから得点できた事は、キトも拍子抜けしたのではないでしょうか?

試合開始直後の緊張感がチーム全体として欠けている気がする。
これほど過去から学ばないチームも珍しい(苦笑)

尻に火がつかないと本腰を入れないパチューカの悪い癖なのかな。それも含めて彼らのプレースタイルだとも言えるし、一度火が付けばアル・アハリ戦のように大爆発もありえるけど、小火を消せる相手との勝負だと話にならなかったですね

終盤まで0-0や一点差以内の勝負ならばもっと見応えがあったかもしれません。



『リガ・デ・キトの印象』

チーム全体がバランスを重視して規律良く守り、素早い縦のカウンターを攻撃の軸に置いてそれで押し切る。

攻撃の中心はマンソ。彼のイマジネーション溢れるパスと視野の広さを武器に、ボラーニョスやビエレルなどのDF裏への飛び出しが目立つ。

一方の守備は、中盤にウルティア&W・アラウーホがどっしりと構えてココに最初の壁を作って攻撃を跳ね返す。前線からのチェイシングもサイドの攻防もココが守備の軸となって全体を動かしています。その反面後ろのCBラインはスイーパー的要素が強く、たまに中盤の壁を抜けてきた攻撃を履く程度。サイドの攻防もキトの両SBに1vs1に非常に強い布陣を敷いているので、ますますDF中央はスイーパー的要素が強く感じられます

キトの守備を形容する時、DFラインを中心とした金属のような何度も跳ね返す趣の硬さというより、中盤の守備ブロックで相手の攻撃をを押し包むように衝撃を吸収して押し戻すような弾力性が感じられます。

前線からのチェイシング&プレスの徹底や、サイド(SB)の攻防での1vs1の強さ、中盤での分厚い守りとバランスを崩さない守り方、DF-MF間のバイタルエリアへの神経質なまでのケアなど、何処かのチームをかなり前から想定して戦術と規律の徹底を施している事が分かる試合でした。それがどこまで通用するは分かりませんが......

難を言えば、高さにちょっと不安が残る感じがします。セットプレーでもちょっとアタフタする場面が見られました。何処かのチームもそこは見逃さないだろうし、今日のパチューカのようにショートパス一本調子じゃないでしょう。強烈なカウンターで抜け出す事もあれば、平気でロングボール一本でパワープレーを仕掛けて来る事もザラですしね。
今日の相手がフィジカルで押すようなアル・アハリだったら、もっと違った展開になっていたかもしれません。



『世界は広い』

今日の注目はキトのマンソその人でしょう。
プレーが柔らかくて視野も広い。パスもイマジネーション溢れるものがあります。その上効き足が左だというのもポイントかな

気になるのは、どれぐらいフィジカルコンタクトに強いのか?
今日の試合を見る限りではちょっと予測が付きにくい。かなり高いレベルの厳しい局面でもあのテクニックを発揮できるならば、今大会後オファーが殺到する可能性もありますね。

それにしても世界は広いな......まだ見たことの無い選手がたくさん埋もれています。

マンソもアルゼンチン出身との事ですが、どれだけ人材が居るのかと溜息をつきたくなります(苦笑)



パチューカ:Formation】

           マリオニ(9)
     アルバレス(7)     ヒメネス(19)

 カルデナス(11)             ロハス(12)
        トレス(18)  コレア(6)

    ピント(21)  マンスール(3)  ロペス(2)

            
            カレロ(1)

【得点】
なし

【交代】
46分 コレア ⇒ アギラル(22)
46分 カルデナス ⇒ モンテス(15)
67分 トレス ⇒ ロドリゲス(16)

※( )内は背番号

後半にヒメネスを中盤に置いた方が二列目からの飛び出しなどで目立っていました。最初から中盤にヒメネスを置いた方が序盤の失点なんかもなかったんじゃないだろうか......

サイドに基点を作ろうにもガッチリとキトのサイドバックに押さえ込まれていました。後ろからサイドハーフにもはさまれて前後共に行き場がありません。

中⇒外⇒中で崩す手法をキトに見抜かれていたから、キトがバランスを崩して守りに来る事はありませんでした。

ショートパスにこだわりがあるが故にカウンターチャンスも自分で潰していたように感じます。これだけ攻撃に縛りを自分で持って試合に挑むとかなり窮屈に感じます。ロングボールとかサイドからの単純なクロスとかで相手の守備の目を逸らす事も必要じゃなかったのかな......



リガ・デ・キト:Formation】

            ビエレル(16)

  ボラーニョス(7)   マンソ(7)   レアスコ(13)
 
      W・アラウーホ(15)  ウルティア(8)

 カルデロン(14)             カンポス(23)
       N・アラウーホ(2) カジェ(3)

              
            セバジョス(1)

【得点】
4分 ビエレル
26分 ボラーニョス

【交代】
78分 ビエレル ⇒ ナビア(19)
90分 レアスコ ⇒ ラレア(20)

※( )内は背番号


左SBのカルデロン強いな~ 左のカンポスも粘り強いけど、サイドの攻防では全くパチューカは歯が立ちませんでした。

2008年12月15日

アデレードvsガンバ大阪【FIFA Club World Cup Japan2008】

ガンバ大阪がアデレードを【1-0】で下す。

《得点》
◆23分 ガンバ大阪 【得点者:遠藤】
左サイドハーフウェイライン際に居た遠藤、中央の明神にボールを展開してフラフラと走り出す。ボールを受けた明神は前方の二川にパス。二川はDFライン上で駆け引きしていた播戸に浮き球のループパスを送る。播戸はCBに挟まれて潰されながらもヘッドでちょこんとスペースに落とす。そこにフリーランニングしていた遠藤が現れて、GKの股を抜くシュートを放ってガンバの先制点をあげる。

《試合経緯》
守りを固めるより、前に出てガンバの中盤を潰しにきたアデレード。前線からのチェイシングとプレスに晒されてガンバは安定したビルドアップが出来ませんでした。その上、佐々木の負傷で試合序盤にゲームプランの変更を余儀なくされますます苦しくなりました。先制点をガンバが獲ったものの、自分達のペースで試合を運ぶ事は叶いません。
後半もアデレードの厳しいプレスに、細かいミスからボールを明け渡しアデレードペースで試合は進みます。カウンターチャンスに度々アデレード陣内に攻め込みますが、繰り返すほどに運動量が失われ、徐々に守備の戻りが遅くなり、アデレードの猛攻に晒されますが、何とか守り抜いたガンバが勝利を収めました。



『培った経験値』

ガンバ最大の強みは、色んなシステム・フォーメションに対応できる臨機応変さでしょう。その上でガンバスタイルを実現できる経験そのものが今現在の強さを表しているのではないでしょうか。
この試合も、佐々木の負傷により試合序盤にゲームプランの変更を余儀なくされても、それに冷静に対応できました。
何よりも西野監督が7年掛けて積み上げてきたものがこの場面で生きた気がします。3バックから4バックへの移行など苦しい時期もありましたが、何かその苦労が報われた気がします。



『手ごわかったアデレード』

ちょっと前に出て来るのは予想外でしたが、やはりガンバ対策を練りに練った結果でしょう。流石に3戦目ともなるとココまで防がれるのは致し方ないのかもしれません。ガンバのビルドアップの段階にプレッシャーを加える手法はかなりガンバにダメージを与えました。ここでの安易な横パスをカットされて再三のピンチを招いたのは,してやったりでしょう。サイドからのクロスボールを奇をてらったものではなく、シンプルに上げる事でアデレードの中の強さが際立ったように感じます。

ただ惜しむらくはガンバのCFのルーカスに比べて、アデレードのクリスティアーノのポストプレーがあまり目立った無かったのが悔やまれます。前線でボールをキープできない為に思い切った後方からの飛び出しや押上が殆ど無かったのが残念です。

攻撃自体もサイドからのシンプルなクロスに中で合わせるだけなので、ガンバとしても油断さえしなければ対応できてしまうほどでした。意外にブラジルトリオがガンガンテクニックで仕掛けてくるようなタイプでなかったのが大きかったかもしれませんね。



『悪い癖』

ガンバの悪い癖というか、目の前のカウンターチャンスに飛びついて、後ろの守備陣が追いつかなくなる場面が、後半の中ごろ辺りに頻発しました。そこでもちろん得点が取れればそれに越した事は無いけど、全体的に運動量も目に見えて落ちてきた時間で、自分達のペースでボールを持つ事が出来ない状況が長く続いただけに、もっとじっくり攻める選択もあったかもしれません。守備陣に休息の時間を与えて、ゆっくりと攻めあがってフィニッシュで終わる事も必要なはず。DF〜FWまで全員が同じアイデアを共有してこそのガンバサッカーだと思います。そういう意味では時と場合によってはアタッカー陣の手綱を思いっきり引く存在も必要なのかな?



『マンチェスター・ユナイテッド戦に向けて』

アデレードに勝利は収めたけど、払った代償も大きかったように感じます。特に二川の怪我の再発はかなり痛い。この試合もピンポイントのパスでチャンスを演出していただけに、西野監督も頭が痛いはず。

マンUのトットナム戦を見る限りでは、今現在チームとしては下降気味の状態です。ルーニーが累積警告?で試合に出場していなかったからあまり参考にはならないかもしれませんが、アタッカー陣のチグハグさはちょっと首を傾げます。ルーニーが間に入らないとこのアッタカー陣は全く歯車が噛み合わない。ルーニー無しでも力が発揮できるようになれば心強いんですが......

今シーズンのC・ロナウドもどこか力をセーブしている節も見られます。あまり全力を出しすぎると潰れてしまうのを自分で分かっているのかもしれません。昨年ならば単独ドリブルで突っ込んでいった所でもパスを選択したり、シュートを打ちそうな所でもパスだったり、ポジションも昨年は頻繁に色んな所を動き回っていましたが、今期はサイドに張り付いている場面の方が多いです。意外とベルバトフトの息がまだこの人も合っていないのかもしれません。

重用されているベルバトフが、ルーニー並にアッタカー陣の間を取り持つような動きが出来れば苦労しないんですが、今シーズンは兎に角これ一本でoneシーズンを貫きそうな気配です。本調子は今シーズンの終盤から来年に掛けてかな?

割と調子を落としていますが、守備陣の安定感は今のところ穴はないですし、どれだけ調子を落とした所でこのアッタカー陣の猛攻をゼロで抑えられるとは考えにくい。点を取れるかが問題だけど、中盤のフレッチャー&キャリックを抜く事ができるか......サイドも運動量豊富なパクも居るだろうし......CBの二人も強力だし......

正直、どんな展開になるのか分かりません。意外とやれるかもしれないし、全く歯が立たないかもしれません。ガンバという日本の指標で世界を測る事が出来る絶好の機会だけに、J関係者も含めて大注目の一戦になる事だけは確かです。



アデレード:Formation】


         クリスティアーノ(10)

  カッシオ(6)    ジエゴ(22)    ドッド(13)

        リード(24)  バービエロ(18)
 
ジャミーソン(14)            マレン(16)
    オグネノブスキ(19) コーンスウェイト(2)

          ガレコビッチ(20) 

【得点】
なし

【交代】
71分 カッシオ ⇒ アレモン(3)
77分 クリスティアーノ ⇒ マリク(11)
88分 ジエゴ ⇒ ユーニス(25)

※( )内は背番号


ガンバ大阪:Formation】

         ルーカス(9)  播戸(11)
   遠藤(7)                二川(10)
         
          明神(17)  橋本(27)
   安田(13)                加地(21)
           山口(5) 中澤(2)

             藤ヶ谷(22)

【得点】
23分 遠藤

【交代】
20分 佐々木 ⇒ 播戸(11)《負傷交代》
81分 播戸 ⇒ 山崎(30)
84分 二川 ⇒ 武井(23)

※Formationは播戸投入直後
※( )内は背番号

流石に終盤からロスタイム4分は長く感じました。
緊張とドキドキで久しぶりに足の指を軽くツル緊急事態発生(苦笑) 
  

2008年12月14日

アル・アハリvsパチューカ【FIFA Club World Cup Japan2008】

アフリカ王者と北中米王者の準々決勝
パチューカが【4-2】と延長戦の末、逆転勝利を収める。

《得点》

◆28分 アル・アハリ 【オウンゴール】
アル・アハリのカウンターからアブトレイカが抜け出し、ゴール前で中に折り返したボールが、パチューカDFに当たってコースが変わりパチューカのゴールネットが揺れる。思わぬ形で先制したアル・アハリ。

◆45分 アル・アハリ 【得点者:フラビオ】
アル・アハリDFからのロングフィードを、ワントラップで受けて前に抜け出したアブトレイカが、前方にスルーパス。それに後方から駆け上がってきたバラカトが反応して抜け出し、そのまま中央へ折り返す。中で待っていたフラビオが決めて追加点を手に入れる。

◆47分 パチューカ 【得点者:モンテス】
右サイドFKからニアに速く低いボールを蹴り入れるモンテス。DFとGKの間に入ったボールは、詰め寄ったパチューカもアル・アハリの誰も触る事無くアル・アハリのゴールネットを揺らす。

◆73分 パチューカ 【得点者:ヒメネス】
ゴールほぼ正面、PA付近からのFK。ヒメネスが助走の少なく振りの速いキックから直接ゴールを決めてパチューカが同点に追いつく。

◆98分(EX1) パチューカ 【得点者:アルバレス】
前へ前へ押し出すようなパチューカの攻め。シュートパスとダイレクトパスにアル・アハリの守備は後手後手を踏んでしまいます。怒涛の如くゴール前押しかけたパチューカが執念でゴールを捥ぎ取り、ついに逆転

◆110分(EX2) パチューカ 【得点者:ヒメネス】
前線からのチェイシングとプレスでボールを奪ったパチューカ。機を狙って後方から駆け上がってきたヒメネスが、PA内でマリオニからパスを貰ってそのままシュート。アル・アハリに止めを刺す4点目


《試合経緯》
前半から圧倒的なボール支配率を誇るパチューカ。
しかし、ゴール前で規律の取れたアル・アハリの分厚い守りを破る事は出来ませんでした。逆に、前がかりになりすぎて、ハーフウェイライン際に設定されたパチューカDFラインの裏を、アル・アハリがカウンターで突き崩して2得点も謙譲してしまう。
後半は、全体的な運動量の底上げと戦術的な視野の狭さを補ってパチューカが息を吹き返す。セットプレーからではあったけど同点に追いつき、延長戦に持ち込まれても、勢いを持続して逆転ゴールと〆のゴールでアル・アハリを常に圧倒してパチューカが勝利を収める。



『瀕死寸前だったパチューカ』
圧倒的なボール支配率とは裏腹に、アル・アハリの堅い守りを突き崩せずにいたパチューカ。それに焦れたのかボールを支配している事に慣れすぎたのかDFラインの設定が非常に極高すぎて、変な所でボールを獲られたりすると、即絶好のカウンターチャンスを何度もアル・アハリに与えていました。一つ一つのカウンターが喉元に刃を突きつけられていると感じるほど切羽詰ったものばかりでした。

前でも動きが無い、後ろはカウンターであたふたする始末で、完全にアル・アハリのペースに巻き込まれ二失点を謙譲して、試合は既に決したかに見えました。

メキシコらしいサッカーを展開するパチューカ。
DFラインの際どいラインコントロールも彼らのサッカーを表現する為には致し方ない作戦の一つ。ましてや身体的に劣る分、危険な賭けではあるけどそういう勝負を挑まなければ勝負にならない側面もあります。相手よりもいかに多く攻撃に人数を割けるかを考え抜いた末のメキシコサッカー。リスキーではあるけど目的が定まった上での彼らが出した答えが、全く他の地域とは違ったサッカーを生み出す結果となったのは目を見張るものがあります。


『逆転への布石』
どうしても前半、パチューカの攻撃の形が、最短距離でゴールへ向かいがちだったので、間にワンクッション挟むべく、一度サイドに展開してアル・アハリの守備の目を外にそらして、中の動きを作り直す作業をしました。もちろん二列目からの飛び出しなど全体的な運動量の底上げも忘れてはなりません。

サイドに基点を置かれた為に、どうしてもそれを潰しに行かないといけないアル・アハリ。そうなると守備隊形も少し崩れるし、マークのズレも生まれます。二列目からの飛び出しなど予期できない行動に出られると足が出てファウルで止めてしまう。そこからFKを与えて同点に追いつかれてしまう。

前半は攻め手が単調だった事が原因でしょう。
それを改善すべくサイドに基点を置いたりと、攻撃のバランスをサイドと中央で取ったことで、相手に安易に攻撃の先読みをさせなかった事が同点~逆転への布石になったのでしょう。
ミドルシュートを打ったりと、次に相手が何をするか守備陣に考えさせるプレーを徹底したからこそ、パチューカ得意のシュートパスやダイレクトパスが活きてきたのだと考えられます。


『アル・アハリの誤算』
 前半で試合が決まってしまったと思いましたが、まさか逆転されるとは思いもよらない出来事だったはずでしょう。一番悔やまれるのは、後半開始1~2分でパチューカに得点を許してパチューカに自信を与えてしまった事。
 
もし、もっと長く無失点の状態が続いたならば逆転は無かったかもしれません。それほど前半のアル・アハリの戦い方はどっしりと構えて隙が無いように感じられました。パチューカのボール支配率の高さも、あえて彼らにボールを持たせていると感じられるほどの余裕すら感じたのですが......

失点を重ねるごとに、ボール支配率が重く肩に圧し掛かってきたのは誤算でしょう。リズムを取り戻したい、攻撃を仕掛けたいと思ってもボールを奪う術を見出せなかったのは残念です。特にパチューカが中盤の底にヒメネスを置いてからは、ボールの獲り所をアル・アハリが完全に失ってしまいサンドバック状態になってしまいました。


『南米王者との決戦』
パチューカが勝利を収めて南米王者との決戦に向かいます。
リガ・デ・キトとの一戦はもしかしたら初の......もありえるだけに注目が集まります。もちろんキトもそんな低評価に憤慨しない訳がありません。南米王者の実力を遺憾なく発揮するでしょう。

勝ち上がったパチューカも今日見せたのは強さと弱さの二面性

攻撃に比重を掛ける分守備の脆さも露呈。逆転で勝ち越せるタフさも見見せ付けました。これがリガ・デ・キトとの一戦でどんな顔を見せるのかは全くの予測不可能。



さて......今日はガンバ大阪の初戦。
はたして順当にマンUとの一戦を迎える事が出来るのかが懸かった試合
不安を払拭して欲しいと思うのですが......


アル・アハリ:Formation】

            フラビオ(23)

           アブトレイカ(22)   
   バラカト(8)             ハッサン(17)

            アシュール(25)
 ジルベルト(12)                ファティ(24)
    
     エルサイド(5) シャディ(7)  ゴマ(26)

             アミル(1)

【得点】
28分 オウンゴール
45分 フラビオ

【交代】
77分 ハッサン ⇒ セディク(6)
91分 ファティ ⇒ モアワド(11)
97分 ジルベルト ⇒ ヤセル(13)

※( )内は背番号


パチューカ:Formation】

            マリオニ(9)
     アルバレス(7)       ヒメネス(19)

 ロドリゲス(16)               アギラル(22)
         トレス(18)  コレア(6)

     ピント(21)  マンスール(3)  ロペス(2)

             カレロ(1)

【得点】
47分 モンテス
73分 ヒメネス
98分 アルバレス
110分 ヒメネス

【交代】
46分 コレア ⇒ モンテス(15)
46分 ピント ⇒ ロハス(12)
70分 トレス ⇒ カルデナス(11)

※( )内は背番号

2008年12月12日

アデレードvsワイタケレ【FIFA Club Wolrd Cup Japan2008】 

CWCの開幕戦.
アデレードがワイタケレを【2-1】で下し、逆転で勝利する。


《得点》
◆34分 ワイタケレ 【得点者:シーマン】
ワイタケレのFKから、アデレードGKと競り合いになりボールがこぼれた所をワイタケレのシーマンが千載一遇のチャンスを活かして先制点。

◆39分 アデレード 【得点者:マレン】
アデレードのCKから、ちょっと変化を付けてゴールから遠ざかるボールを蹴り入れるキッカーのリード。突然の変化にマークがズレて、ドンピシャでヘッドを合わせたマレンが同点ゴールを挙げる。

◆83分 アデレード 【得点者:ドッド】
アデレードのFKから、キッカーのリードが早いクロスを蹴り入れる。ニアに飛び込んだドッドがヘッドでコースを変えて逆転ゴール。


《試合経緯》
 試合の構図は、堅く守ってカウンターを狙うワイタケレに対して、分厚く攻撃を仕掛けるアデレード。
 昨年の二の舞は御免とばかりに序盤から堅く守るワイタケレに、アデレードは打ち崩す術が中々見当たらず苦労する。そんな中たまにカウンターを仕掛けられてワイタケレにちょっとゴール前からは遠いけどFKを与える。そのFKから失点してしまったアデレード。
ただその5分後CKから同点ゴールを奪ってアデレードペースに戻す。
 後半、攻めに色気が出始めたワイタケレは、カウンターから何本もアデレードゴール前に攻め上がるが、シュートを打つ前にアデレードの守備陣に止められてしまう。ピッチを往復する距離が伸びる分、守備の戻りも若干遅くなり体力の消耗も激しいように感じる。
両者ともにカウンターの応酬の様なことが続くと、目に見えてスペースが空きだし、アデレードの攻撃に鋭さが増す。
セットプレーが何本もワイタケレの頭上に降り注ぎ、遂にFKから逆転を許してしまう。ワイタケレは最後の最後までゴールを目指すが、アデレードの壁を破るほどの余力は既に無くアデレードが勝利を収める。



『用意周到に待ち構えたワイタケレ』

昨年はセパハン(イラン)に試合開始早々、立て続けに得点を重ねられて、失意の中帰国を余儀なくされたワイタケレではありましたが、今回は初戦の相手がアデレードとお隣の国でもあり、情報も豊富にあり準備期間も十二分にとっての来日となり、この試合に賭ける意気込みは今日の試合を観ても熱く伝わります。

意外?にアデレードの攻撃を、正面から受け切るほどフィジカルコンタクトの強さを見せて驚きを見せました。

またセットプレーの守備に、よほど自信があるのかCKを嫌がらずゴールラインを割らせる節も見せました。そのセットプレーからのカウンターチャンスを意識的に狙っていたのかもしれません。
それにしてもCKだけで19本もアデレードに与えるなんて、集中力が持続しない気もするけど......

先制点を先に獲ったりと『おっ!?』と思わせる展開は面白かったです。後半カウンターを仕掛け過ぎて疲れて自滅気味になってしまったのは、ご愛嬌と言ったところでしょうか。シュートで終わるような展開だともっと良かったかもしれません。



『不気味なアデレード』

セミプロのワイタケレに少々苦労した感が強いアデレード。
先制点を謙譲したのは余計だったけど、それ以外は予定どうりでしょう

あれだけセットプレー(特にCK)を貰っても、あまり手を見せなかったところに不気味さを感じます。ショートコーナーとキッカーに変化を付けてボールの軌道を変えるくらいで、スペシャルな奥の手をまだ持っていそうな感じがします。

意外にキッカーのリードにしろジェイミーソンなど鋭く正確なプレイスキッカーが居たことに驚いています。

特にジェイミーソンなどちょっとラームに似ていなくもない気がします。セットプレーのキック以外にも相手の背後に飛び出す所やドリブルの速さなど際立っていました。

逆にFWなどアタッカー陣はワイタケレのフィジカルを前面に押し出した守備に殆ど顔を見る事無く終わりました。



『ガンバ戦への展望』

ワイタケレが勝ち上がってくれば楽だったのに......

ちょっとアデレードには嫌な雰囲気を感じます。ACL決勝での失態(2戦合計で5-0)はかなり深くアデレードのプライドを傷つけたはず。そのリベンジ燃えてこない訳がない。対策も練りに練っているはずですしね。

試合の入り方もキッチリ守りを固めて、ガンバに隙を見せる事は無いでしょう。そしてそこからのカウンターも鋭くて気合の入った全くの別物のはず。フィジカルを前面に押し出してガンバを圧倒する悪いイメージだけが浮かびます(困)

ただワイタケレにも突け込まれたように、鋭いドリブルなどにはやっぱり弱さを見せました。ワイタケレのクリシュナなどに何本もドリブルで突っかけられてアタフタした場面があった事が収穫?なのかな。ただそれをガンバに許すほどスペースを与える事をかは疑問ですが。特にガンバの安田や佐々木などにはACL決勝であれ程やられていただけに、そこの対処は上手くなっていると考えた方が良いかもしれません。

両者にとって何よりも先制点の行方が全てを決めるでしょう。
ガンバが獲れば、より一層スペースが生まれるし追加点の可能性も高まる。逆にアデレードが獲れば、守りを固めてガンバが前に出てきた所をカウンターで一刺しで試合が決まる可能性もある。

マンUばかりに気をとられている状態だと、あっさりガンバは足元をすくわれるでしょう。ちょっと日テレも試合が始まる前からガンバ対マンUを前面に押し出し過ぎの気もしますが......


それにしてもと言うかACLも含めて日テレが放送してくれれば繋がりもあったし見る方も楽だったのに......ちょっとテレ朝のいい加減なサッカー放送にはウンザリです(苦笑)



アデレード:Formation】


            クリスティアーノ(10)

   スパヌオーロ(21)  サーキーズ(8)    ドッド(13)

         バービエロ(18)  リード(24)

 ジェイミーソン(14)               マレン(16)
        コスタンツォ(4)  コーンスウェイト(2)


             ガレコビッチ(20)

【得点】
39分 マレン
83分 ドッド

【交代】
57分 スパヌオーロ ⇒ アレモン(3)
80分 サーキーズ ⇒ ユーニス(25)

※( )内は背番号


ワイタケレ:Formation】

    
           コプリブチッチ(13)
  クリシュナ(12)             ピアース(10)

       シーマン(8)      ベイル(15)
             バトラー(17)
 サイクス(11)                ローリー(20)
        エンブレン(16)   ペリー(2)

            ギレスピー(1)

【得点】
34分 シーマン

【交代】
67分  コプリブチッチ ⇒ ビンセント(21)
75分  ピアース ⇒ ピメンタ(29)
85分  シーマン ⇒ トトリ(9)

※( )内は背番号

ピアース(10)が負傷でピッチを去ってから、ボールを溜める所が無くなって、ワイタケレは単独でドリブルで突っ込む場面が増えました。怪我がなかったらもうちょっと面白い展開になっていたかもしれませんね。           

2008年12月10日

Jリーグ今年の総括

鹿島アントラーズの優勝で幕を閉じたJリーグ

正直な感想としては“つまらない”の一言。
果たして、この鹿島の二連覇が示すJリーグが、あるべき姿に向かっているか疑問に思う所も多々あります。


今年の傾向として勝ち点差が非常に密に詰まった間に、団子状態で固まる何とも奇妙なシーズンでした。終盤まで優勝争い&降格争いが激しくぶつかり合いデータ(勝ち点)で見る限りは面白いシーズンだったはず

ただ残り数試合を見た限りでは【面白い】と直感的に感じたシーズンではありませんでした。贔屓目に見ているチームが勝ちきれなかったりと個人の不満はあるにしても、それを抜きにしても何か靄がかかった気がして気持ちは晴れません。



『シュート&ゴール数から見るJリーグ』

毎年力説してるけどイマイチ......

今年はちまちまチャートを作ってみました。私も暇だな(苦笑)




今年のJリーグ得点ランキング1~5位のチャートです。
【青】がシュート数
【緑】がゴール数


続けて6~9位を......








一体何が言いたいのか?

今年はシュート数が格段に少なくなっています。外国人や日本人を問わず(日本人のシュート数の少なさは例年と同じだけど)個人のシュート数の激減が顕著に見て取れます

そのデータを裏付ける昨年のtop5をご覧ください




シュート数100前後がゴロゴロしていた昨年と比べると今年は萎縮した感があります。


ついでに今年と昨年の日本人のチャートもどうぞ







日本代表関係者のみの抜粋ですが、大久保が頑張っている以外は何とも目を覆いたくなる惨状です。特に日本人FWの惨状は目に余ります。今年波に乗っていた名古屋からは小川佳純が目立つだけで、玉田はランキングにさえ載っていません。田中達也も同じような状況。興梠や岡崎などランキングに入ってはいますが、シュート数がお話にならない。

シュート数に比べて得点率が高い所を褒める気にはなりません

それは目の前のチャンスを潰して、シュートを打っていない何よりの証拠。チームプレイを盾にした逃げに他なりません。何のためのチームプレイなのかよくよく思い返して欲しい所です。得点(シュート)をしなければサッカーは勝てないゲームだという事を忘れないで欲しいです。


それにしてもゴール数の増減は別にしてもシュート数がココまで激減していたのは予想外。特に外国人選手のシュート数の激減には何か裏がありそうな気もしますが......



『今年の傾向』

今年を象徴する代表的な2チームをピックアップしてみます




降格争いに巻き込まれ最終戦で入れ替え戦に回ってしまったジュビロ

気になるのは【赤】の75-89分の時間帯。特に今年は後半の終盤に向かうにしたがって得点が激減しています。失点は満遍なく......

昨年は終盤の失点が多かったものの、それを盛り返す得点で何とかカヴァーしていたのだと分かります。





今年旋風を巻き起こした名古屋

顕著に見て取れるのが【赤】の増減
2007シーズンは得点に比べて失点が多いけど、2008シーズンは失点を得点でカヴァー出来ている点です。


全体的な傾向として躍進したチーム(大分トリニータなど)は最終盤15分の失点が減り、逆に下位に沈むチームは最終盤15分に失点が増えそれを覆す得点が極端に減るケースが目立っています。

そして気になるのが上位チームの鹿島や浦和や川崎など、最終盤の失点が昨年より増加しているケースが目立っています。これが勝ち点を拾えないケースが増えて引き分けが多くなり、果ては勝ち点3を失う結果を招いて団子状態を形成したといえます。


ここから垣間見えるのは鹿島が飛びぬけて凄かったわけではなく、他がどんぐりの背比べだった事、その上で平均して鹿島が上に立ったに過ぎません。


まぁ 内乱の無かった鹿島がそのまま優勝を獲ったとも言えますね


浦和はシーズン序盤で監督解任に始まり、終盤は内輪もめでクラブ自体がズブズブに沈みました。

川崎はフッキの呪いで監督が病院送り、何とか最後に帳尻は合わせましたが、序盤の躓きが最後まで響きました。

ガンバはリーグよりもACLに専念する傾向が見え、またしてもシーズン中盤に得点源を流失する失態を演じて失速。何とかそこから立ち直ったかに見えましたが、ACLのタイトルを取ったことによる気の緩みか最後はズブズブに沈む

ライバルが内なる戦いに奔走する状態では鹿島にとって楽な展開でしたね。新興クラブの隆盛もあったシーズンでしたが、それが来年も続くのかは未知数。そこまでクラブの財政状況が現状の戦力に+αできるだけの体力をもてるのかは、今の不透明な世界の経済状況を見ると暗い影の方が大きい。どれだけユースなどの若手の伸びを実現できるかの育成手腕がこのオフシーズン試される気がします。


何はともあれ、もうちょっとシュートを打って欲しい

毎年の切なる願いを持って今年のJリーグ総括を〆ます。

2008年12月03日

【第15節】マンチェスター・シティvsマンチェスター・ユナイテッド【プレミアリーグ08~09】

シティとマンUのマンチェスター・ダービー
マンUがシティを【1-0】で下す

《得点》
◆42分 マンチェスター・U【得点者:ルーニー】
セットプレーからの素早いリスタートから、ふわりと放たれたボールをゴール中央で受けるパク。ポストプレーでボールを保持して横に出す。ルーニーが受けて中央に強引に切れ込むが、わらわらと集まったディフェンスに阻まれてボールを外にかき出される。そのボールに必死に喰らいつくパクが、ちょこんと頭で外に出す。そのボールを二列目から上がっていたキャリックがシュートを放つ。GKがボールを弾いた隙に、詰めていたルーニーがゴールに押し込んで先制。

プレミアリーグ100得点の記念のゴールに大喜びのルーニー(嬉)


《試合展開》
前半はマンUのハーフコートゲーム。それでもシティは波状攻撃に四苦八苦しながらも得点は許していませんでしたが、最後はかなり強引な攻撃にルーニーに押し込まれて先制点を許しました。
後半は一転してシティペース。68分にC・ロナウドが二枚目のカードを提示されて退場処分になってからは、マンUは自陣に引いて守りを固め勝つことにこだわりを見せました。その守備を最後まで打ち崩せなかったシティは成す術無くマンUに敗れました。



『バロンドールを受賞したC・ロナウド』

昨年の爆発的な誰も寄せ付けないプレーが評価されての受賞でしょう。あれだけ得点も量産すれば文句なしでしょう。頭でもFKからも得点が取れる凄さは並大抵のものではありません。やる事成す事全てが得点に繋がるのだから見てる方も呆気に取られます(苦笑)

さて、今日の出来を見る限り彼の調子としては75~80%と言った所でしょう。怪我の手術で出遅れたシーズンも早期の復帰で周りを驚かせはしましたが、完全に近い状態かはちょっと微妙。単発での長い距離の走りは特に問題はなさそうですが、流石に連続した長距離の走力やドリブルは目に見えてスピードが伸びない。だからなのかカウンターなどで相手にスピードで競り負ける場面がちょこちょこ見えます。
またトリッキーなフェイントを織り交ぜたドリブルも精彩を欠く。中々相手がじっくり見て飛び込んでこないからドリブルで抜く場面が少ない。中央に切れ込む切り替えし方も完全に読まれてしまっているから、
比較的守りやすいように感じます。
この日もC・ロナウドのドリブルに対してシティの守り方は、兎に角スピードを落とさせる事に重点を置いて、絶対に安易に飛び込まないように注意していました。シュートコースを消す事とドリブルでの切り返しに注意して、パスを出されるのは安全策の一つと考えていました。

これはある意味C・ロナウドの対象法としてはベストの部類に入るかもしれません。シュートを打たれたり、ドリブルで突破など本人の気持ちを向上させ気持ちよくプレーさせるよりは、パスを出させて他の誰かのシュートを止める方が失点の確立は低いかもしれません。

これだけでないのがC・ロナウドだけど......今日は何故かCKで両手でブロックして二枚目のカードで退場処分と後味の悪さは残りましたけど



『活路を見出したベルバトフ・苦しいテベス』

まさかこんな風になるとはシーズン前は想像も出来ませんでした。

ベルバトフがこれほど重用される理由はそのパスセンスとキープ力でしょう。昨年で言えばギグスがこの役割を担っていました。彼のキープ力があるから安心して前に走れて、そしてそこにピタッとパスが通る。確かにベルバトフの運動量の無さは気にならないと言えばウソになるけど、それに目をつぶってでもそのタメとパスセンスは欲しいと言う所でしょう。

テベスにしてみれば昨年アレだけ重用されたのに何故?と疑問符が一杯でしょう。ただ彼を使うとなればギグスを使って昨年のスタイルに戻るか、テベス-ベルバトフで組んでルーニーを一段下げる手段も無いではない。ただギグスはそれほど酷使も出来ないし、何時までも彼に頼ったプレーは将来を考えれば得策ではない。ルーニーを下げる手段もテベス-ベルバトフ間のコンビネーションが取れているならば問題ないけど、それが無いならば別段ルーニーを下げる意味も無い。また昨年のテベス同様に今期はパクが無尽蔵の運動量でピッチを所狭しと動き回るほど調子も良いし、敢えてパクを下げる意味も無い。

凄く苦しいシーズンだという事は確かですが、テベスにとってもココが正念場。ルーニー以外にプレーのコンビネーションを増やさないと、他のチームに移籍した所で同じ愚を繰り返すだけだと思います。

まずはベルバトフトのコンビネーションを高める事が生き残る道。折角マンUに移ってプレースタイルも様変わりしてファンが増えたのに、ここで投げ出すのは惜しい。



『シティの正念場』

今日の試合を観ると、確かに一つの強さは見せ付けたけど、それだけじゃ4強に食い込むだけの実力には程遠い。

問題は相手がドン引きで引いて守りを固めた時、どうやってそれを打ち崩すのかチームとしてのコンセンサスが取れているかが問題。

C・ロナウドがピッチを去って守りを固めたマンUに対して、欠伸が出るほど中央にこだわって、ただボールを弾き出される攻撃に終始したのは稚拙さが見て取れます。どうしても速攻タイプの人材が多いシティにとってはこれは難題かもしれません。ただ左右に攻撃を散らすとかもっとやるようはあったし、何のためにS・W・フィリップスがサイドに居るのか分かってない。ただそのスペースもマンUに消されては居ましたが......前線にFWを投入してほぼ4トップのような形にしたは良いけど、ビルドアップのボールを再三カットされて際どいカウンターを受けるなど、慣れていないのが手に取るように分かります。結局この中盤でボールをカットされるようになってから、スタジアムを巻き込んだ勢いは鳴りを潜めて、マンUの老練な策略にハマってしまいました。

シティの取りこぼしを見ても下位チームが多いので、守りを固められたらお手上げなところがあるのかもしれません。

どんなスタイルで守りを固めたチームを崩す術を見つけるか、そこが分かれ道......


CWCにマンUが来るのが楽しみですが、これにガンバが勝てるかどうかは微妙。万に一つもの可能性もあるけど、大口を叩いて勝てるなんてトテモじゃないけど言えません(苦笑)
ただどこまで何が通用するかは見てみたいですね。
昨年のようにミランに子ども扱いされるのか? 
ある程度通じるのか......何回ゴール前にたどり着けるのだろうか?


【マンチェスター・シティ:Fromation】


            ベンジャニ(27)
  ロビーニョ(10)             SWフィリップス(8)
         
        ヴァッセル(21) アイルランド(7)

             ハマン(21)

  ガリード(15)               リチャーズ(2)
          ダン(22) コンパニー(33)

              
             ハート(1)


【得点】
なし

【交代】
46分 ハマン ⇒ エラーノ(11)
46分 ヴァッセル ⇒ サバレタ(5)
76分 リチャーズ ⇒ スタリッジ(28)


※( )内は背番号

 
SWフィリップスの速さは尋常じゃない。C・ロナウドも流石に足を出して止めるのが精一杯。

右SBに入っていたリチャーズ。C・ロナウドを完封して存在感を見せていました。CBもこなせる様でまた凄いのが出てきたな~

コンパニーがアンカーに入った後半から動きが良くなったシティ

それにしてもというか、FWにもうちょっと迫力のある人材を置かないと格好が付かない気がします。育てる気ならばイングランド系の選手を使うべきだけど、それ以外ならばもっといい人材を他から獲って来るべき



【マンチェスター・ユナイテッド:Formation】


        ルーニー(10)  ベルバトフ(9)
 C・ロナウド(7)                パク(13)

       キャリック(16)  フレッチャー(24)

 エブラ(3)                  ラファエル(21)
      ヴィディッチ(15) ファーディナンド(5)

         
          ファン・デル・サール(1)

【得点】
42分 ルーニー

【交代】
83分 ベルバトフ ⇒ ギグス(11)
90分 パク ⇒ オシェイ(22)

【退場】
68分 C・ロナウド

※( )内は背番号


パクの無尽蔵の運動量には脱帽。自陣深くで自分でボールをカットして前に預けて、ゴール前にダッシュ。そして走りきった先にシュートを打つ一連の距離とスピードは尋常じゃない(笑) 確かにフィジカルで真正面からぶつかれば紙のように吹っ飛ばされるけど、昨年に比べて体の使い方が上手くなっているように感じます。それでチームに貢献する運動量ですから、ファーガソンの信頼も肯ける気がする。


中央はキャリック&フレッチャーのコンビでほぼ固まったのかな?
攻守にこの二人で十分な気がします。

テベスにすれば生き残る道は、ベルバトフトとのコンビネーションの確立。そうすればルーニーを一段下げて使う案も無いではない。いかに少ない出場時間でアピールできるかが鍵。ルーニーにしろC・ロナウドにしろどこかで休ませる時期が来るので待つしかない....... 
  

2008年11月18日

【第十三節】アーセナルvsアストンビラ【プレミアリーグ08~09】

アーセナルが【2-0】でアストンビラに敗れる


《得点》
◆70分 アストンビラ 【得点者:オウンゴール】
A・ヤングのクロスボールに、ゴール前に突っ込んできたアグボンラホールに付いていたアーセナルのクリシーが痛恨のオウンゴール。

◆80分 アストンビラ 【得点者:アグボンラホール】
アストンビラゴール前からクリアボールに近いロングボールに、アグボンラホールがギャラスと競り合いながら頭のワントラップで抜け出し、そのままダイレクトで一閃。鮮やかにカウンターが決まり〆


『試合経過』

《前半》
アーセナルのDFラインにもプレッシャーを掛けられ、休まる暇が無い。
ずっと悪いリズムを引きずったまま、PA内でアストンビラ選手を倒してしまいPKを謙譲。これをアルムニアの好セーブで失点は免れるも、これ以降もリズムを掴めぬまま辛うじてハーフタイムに逃げ込んだ

《後半冒頭から先制点まで》
ウォルコットとナスリのポジションチェンジをするも全く流れに関係なし、耐えに耐えていたが怪我明けのアデバヨールを投入。今までに無くリズムを取り戻しつつあり試合が拮抗しだした。
そのリズムの中で、中盤で悪い形でボールを取られ、その際サニャが負傷で立ち上がれず、その穴を埋める間も無くA・ヤングにその穴を突かれ、アーセナル守備陣がバタバタしている隙にクロスを放り込まれ、あっさり失点しまいました。

《先制点から追加点》
とにかく攻めに打って出るアーセナル。規律良く冷静に守るアストンビラに尽く弾き返される。そんな中で苦し紛れに前に放ったクリアボールが絶好のカウンターとなってアーセナルのあごを打ち砕く

《追加点以降》
ベンゲルに打てる手は無く、後はピッチ上の選手がどうにかするしかない。ただ光り輝くアーセナルの面影は無く、陰鬱にボールを転がすのみ。まばらな観客席と帰宅の途に背を向ける観客が奇跡が起こり得ないことを既に暗示しているかのようでした。結局大きな波も起こせずアーセナルは敗戦



『露になるブラックボックス』

アーセナル自身の調子や動きが悪いとはどうしても思えない。
対策を立てられその策にハマったとしか言いようが無い。

1.DFへのプレッシャー
簡単にビルドアップをさせない。
執拗に追回し、常にプレッシャーを加える事でイライラさせて、DFラインでのパス回しで、アーセナルが落ち着きを取り戻せないようにする。

2.CMFへのプレッシャー
ビルドアップからのボールを受けるセスクとデニウソンに専属のマークを付けて、ボールを持つと猛烈なプレッシャーを掛けて前を向かせない。そしてそこから縦に人とボールを入れさせない。

3.CFへのプレッシャー
ポストに入るボールそのものを遮断する。ロングボールでも何であれボールを触りそうになると体を寄せてボールが収まらないようにする。あわよくばボールを刈り取る。


見えてくるのはCMFから全体へ行き渡るボールの供給を絶つこと。
そのためにはCMF自身を抑える事はもちろん、そこにDFラインからビルドアップの為に供給されるボールのそのものも遮断する。行き場(ボールの預け所)を失ったDFが次に考えるのはロングボールを直接前線に放り込む事。しかしそこにプレッシャーがかかってキープできない事が何度も続けば、結局CMFに預けるしかない。苦しいパス回しから際どいボールをカットされて逆襲を喰らい続ける悪循環が生まれる。



『処方箋が無い訳ではないけど』

上記の方法だけでアーセナルを潰せるならば、とっくの昔に潰れていたでしょう。

この試合特に問題なのはディアビを中心とするウォルコットとナスリの逆トライアングルの出来不出来がモロに出た事。

【ディアビ】
彼の所でボールが止まってしまう。流れがスパッと止まるから周りの動きも止まる。アイデアも無いのにボールをダラダラもって結局横か後ろに出すだけだからちっとも前に進まない。何故に彼をトップ下に置いているのか一番不思議。

【ウォルコット】
スペースが無いとその才能の1割も引き出せない。止まっていると普通の選手。人を上手く回りに配置させて加速をつけさせないようにスペースを消されてゲームから消える。

【ナスリ】
シュートレンジでの動きは脅威だけど、その他の仕事に関しては存在感なし。ゲームの組み立てにしてもボールキープそのものも、ままならないから味方からボールが回ってこない。ゲームから消える。

ディアビはともかくとして、サイド(wing)の二人がゲームから消えてしまうのは大問題。ここで基点を作れないからボールの預け所が限定されて悪循環が始まってしまう。この位置で基点を作る事が出来ればCMFの二人の負担も減って前を向いて仕事が出来る。実際、昨シーズン序盤のロシツキーの働きはアーセナルの快進撃を支えていたといっても良い。そう考えるとエブエの離脱も今シーズンの不調を物語っているのかもしれない。

ほとんどアストンビラに片手間程度で抑えられているナスリやウォルコットの現状は嘆かわしい。両者共にここで一皮剥けないと一生この状況から抜け出せない。

特にウォルコットはスペースが無くても自分が活きる形を見出さないとずっとスーパーサブ止まりな気がする。

ディアビに代わってアデバヨールが入る事によって、ボールが前で収まるようになり比較的リズム良くボールが回りだした所から見ても、後は人が戻ってくれば何とかなる目処はついているけど、成長を促す為にも現有メンバーでどれだけこの状況を打開できるかが今後を占う為にも必要。どれだけファンが我慢できるかが問題ですけどね。

ベンゲル解任でアーセナルが立ち直る話の問題ではない気がするけど、彼が辞めて喜ぶ人の方が多いんじゃないかな?

引く手数多のベンゲルをここで手放す愚作をアーセナルが犯すのか?


それにしてもというか、アデバヨールやエブエなど居なくなって分かる事もあるんですね。かなり微妙なバランスで立っていたことが驚き。
エブエって必要か?と疑問に思っていたけど、ウォルコットの現状を見る限り、その認識が間違っていた事が分かりました。
アーセナルがもっと泥臭い事も出来るようになり、勝ちを拾えるようになれば苦労しないけど、ベンゲル頼みで選手がピッチ上で問題を解決できないのならば思い切った外科手術(ショック療法)も必要なのかな?


ベンゲル解任云々は正直出たとこ勝負な気がする。


アーセナル:Formation】


            ベントナー(26)

    ナスリ(8)    ディアビ(2)    ウォルコット(14)

        デニウソン(15)  セスク(4)

   クリシー(22)               サニャ(3)
      シルヴェストル(18)  ギャラス(10)

             アルムニア(1)


【得点】
なし

【交代】
61分 ディアビ ⇒ アデバヨール(25)
68分 ベントナー ⇒ ベラ(12)
71分 サニャ ⇒ コロ・トゥーレ(5)

※( )内は背番号

ディアビをトップ下に置いてる時点で勝負を捨てたも同然

ディアビもシルヴェストルもパス回しなどアーセナルのスタイルに馴染んでいない。何故か二人ともフランス人だし、ちょっと最近露骨に贔屓が過ぎるベンゲル

解任騒ぎの根底にはこのフランス人贔屓もちょっと影響してるのかな



アストンビラ:Formation】

   
           アグボンラホール(11)
  A・ヤング(7)                ミルナー(8)

         バリー(6)  シドウェル(4)

            ペトロフ(19)
  L・ヤング(2)               クエジャール(24)
        ラウルセン(5) カーティス(15)

            フリーデル(1)

【得点】
70分 オウンゴール
80分 アグボンラホール

【交代】
なし

※( )内は背番号

ハルから続くアーセナル潰しの方策が完成した感じがする。

交代者なしの所を見ても体力的に負担を少なくできる事も証明した

得点は取れないまでも引き分けは十分期待できる    

2008年11月13日

【Final:2nd leg】アデレードvsガンバ大阪【AFC Champions League 2008】

ガンバ大阪がアデレード・ユナイテッドを2-0で下す。
2戦合計5-0の大差をつけてガンバ大阪がアジア王者の栄冠を受ける。


《得点》

◆4分 ガンバ大阪 【得点者:ルーカス】
ガンバ大阪のファーストアタックから、佐々木がゴール正面で切り替えしてミドルシュートを放つ。アデレードGKが辛うじて弾くが、こぼれたボールにルーカスが詰めて先制ゴール

◆14分 ガンバ大阪 【得点者:ルーカス】
二川のスルーパスに抜け出したルーカスがワンタッチでシュート


《先制点までの経緯》
ゲーム立ち上がりから気合が入っているアデレード
やる気満々で球際も厳しいが、既に頭に血の気が上っているが気になる


《追加点以降から前半終了まで》
アデレードの前線のつんのめった攻撃姿勢と後方のビクビクした守備姿勢が気になります。全体の意思統一と精神のバランスが取れていないから上手く行かない。そしてイライラしてラフプレーに走る。

※アデレードのRODRIGUES(10)の二度の故意の肘打ちに代表されるように、アフター&バックチャージなどなど何でもござれの技(ラフプレー)のデパート・アデレード支店状態。ここまで自分達のサッカーを貶めるプレーをしなくてもと思う


《後半以降》
ガンバ大阪のラインディフェンスを逆手に取ってきたアデレード。
ショートパスでゲームを作る事を諦めて、ロングボールで中盤を排し、サイドのラインディフェンスの見極めが出来る位置にロングボールを投げ入れて、オフサイドを取られない形で攻撃の基点を作る。そして、意識してサイドからのクロス、特にPA脇の浅いゾーンから短いクロスやグラウンダーの折り返しなどを中央に供給し始めました。

辛うじてガンバ大阪が全てを弾き返していました。失点してもおかしくない状況も多々ありました。返す刀でカウンターを仕掛けてDFラインを押し上げる作業を繰り返し、前線でボールをキープ&得点の匂いを漂わせる事で、アデレードへの心理的肉体的なプレッシャーを掛け続けると同時に、ガンバ大阪守備陣の混乱などの精神的な回復と守備陣形の確認などの意思統一の確認を怠りませんでした。

そして常に攻めの一手を打ち続ける交代で、緊張の糸が途切れる事無くガンバ大阪は歓喜の試合終了のホイッスルを耳にしました。



『アデレードの心理』

試合前半、どうしてもガンバ大阪のドリブルで突っかける選手やボールを保持している選手に対して、一歩前に出てプレッシャーを掛けられないアデレード。

考えられるのは......

1.【1st leg】の悪夢
タックルに行っても避けられる。プレスを掛けてもワンタッチでボールを捌かれる。明らかなテクニックの差を見せ付けられた事が脳裏に残って、そのイメージが強すぎるために一番大事な中盤、特にバイタルエリアの前に簡単に進入を許すほどダラダラと下がるだけの守備

2.中盤守備のポイントが分からない
ガンバ大阪の中盤のどこを止めれば良いのか分からない状態。
遠藤は肝心な時以外はフラフラと移動するし、二川も色んな所に動く、この二人抜きでもパスがガンガン回ってボールに触れない。上手く守備のブロックを作ってガンバ大阪をサイドに詰めても、遠藤が出てきてあっさりサイドチェンジされてしまう。

3.ドリブルスピード
【1st leg】でも散々な目にあった佐々木と安田。この二人の対策は全く整っていなかった。どうしてもタックル(チャージ)を仕掛けても切り替えされて抜かれるイメージが強すぎて、一定の距離を保って消極的な守備になってしまう。


【1st leg】のイメージがよっぽど強烈だったという事

守備を要とするチームが先制点を奪われる失態を二度も繰り返す所からみても普通の心理状態ではないことがうかがえ知れます。



『反省点と今後の展望』


《アデレード・ユナイテッド》
守備を要とするチームが先制点を許してはならない。
こちらが主導権をもって守り抜き、相手が焦れてきた所で奇襲を持って相手から得点を奪うのがセオリー。

中盤でプレッシャーを掛けられなかった事が残念。守備を要とするチームの割には前線からのチェイシングは緩い。また中盤でのプレスが無駄だと分かっていてもガンバ中盤にプレッシャーを掛け続けるべきでした。ガンバの中盤もどうしても前を向く・前に走る(追い越す)為にはルーカスに預けなくてはならない。そこのプレッシャーが他と一緒で緩かったのが残念。ルーカスを抑えていればもっと違った展開もありえたかもしれない。

もっと単純に高さを生かしたクロスやロングボールを放り込んでパワープレー主体の攻撃でも良かった気がする。意識的に後半はその傾向が見られ、ラインディフェンスを破る戦略や、PA脇の浅い位置からのクロスや折り返しなどガンバ大阪にとっては脅威だった。

CWC(クラブワールドカップ)にも日本の開催国権を使って出場する事が決まっているのだから無様な試合だけはしないで欲しい。


《ガンバ大阪》
後半ラインディフェンスを破られて、オフサイドトラップが意識的に掛からなかった所は必ず修正しなければならない。またそのキッカケとなったパスの出所へのプレスの再確認

PA脇、サイドの浅い位置からのクロス対策。中に放り込まれてからの守備では身体的に劣る分、今日のように何時も上手く行くとは限らない。そのためにもクロスの出所へのプレスを含め、クロスブロックの再確認もすべき

中盤でのダイレクト・タッチ数の少ないパス回し、それを可能にする前準備(相手より先に走ってスペースを作る・埋める等々のクレバーな動き)が行き届いていた。運動量と質共に申し分なく、それをテクニックで120%活かしきっていました。

ラフプレー対策の周りのコーチングも素晴らしかった。


マンチェスター・ユナイテッドへの挑戦権は、アデレードとオセアニア代表との勝者と戦って、もう一度勝利を収めなければ得られません。是非とも気を抜かずに過ごして欲しい。

正直、このような大差の展開になるとは予想外でした。一歩間違えば逆のスコアになっていた事は確かでしょう。何よりも初戦の入り方が全てを決したと言えます。



今、もっとも日本で美しく強いサッカーだと言えるガンバ大阪

今年のユーロから続く潮流にガンバも続いた格好になりました。


テクニックは時としてフィジカルを凌駕する時がある

そしてテクニックはサッカーを自由にする


この攻撃的なサッカーで世界に挑んで欲しい




【アデレード・ユナイテッド:Formation】


            RODRIGUES(10)

  CASSIO(6)      SARKIES(8)      DODD(13)

        DIEGO(22)     REID(24)

  JAMIESON(14)                RICHARD(18)
          SASA(19)  VALKANIS(5)

             ROMANO(20)

【得点】
なし

【交代】
59分 SARKIES ⇒ SPAGNUOLO(21)
68分 DIEGO ⇒ PANTELIS(7)
68分 RODRIGUES ⇒ YOUNIS(25)

※( )内は背番号

今回は二戦とも押さえ込んだけど、もし次ぎ戦うときも今回のようにやれるとは考えにくい。むしろガンバの方が精神的にだらけてしまう懸念の方が高い。

相手がフィジカルで圧倒する前にテクニックで凌駕し得点できたのが大きかった。



【ガンバ大阪:Formation】


            ルーカス(9)

             遠藤(7)
   二川(10)                佐々木(16)
         橋本(27)    明神(17)

   安田(13)                加地(21)
          山口(5)   中澤(2)

             
             藤ヶ谷(22)

【得点】
4分 ルーカス
14分 ルーカス

【交代】
58分 佐々木 ⇒ 山崎(30)
65分 安田 ⇒ 下平(19)
81分 明神 ⇒ 播戸(11)

※( )内は背番号

  
佐々木のドリブル突破・切り替えしにアデレード守備陣はタジタジ

バレーがシーズン途中で移籍したが為に、ルーカスのポジションと役割が確定したのは皮肉。もちろん得点力は激減したのは痛いがより一層パスサッカーに磨きがかかった。  

この中盤のテクニックと運動量は最高。これをそのまま代表に移植しても良いんじゃない?

二川とか代表に呼ばれても良さそうなのに

ついにガンバスタイルのサッカーが実を結んだ日
西野さんも紆余曲折を経てここまで引っ張ってきたのは凄い
岡ちゃん最強とか考えてる協会強化部に見せ付けてやった日(笑)


あらためてガンバ大阪のみなさん おめでとうございます。

2008年11月11日

【第十二節】リバプールvsウェスト・ブロムウィッチ【プレミアリーグ08~09】

前節、最下位トットナムに敗れたリバプール
ホーム・アンフィールドにウェスト・ブロムウィッチを迎え
リバプールがウェスト・ブロムウィッチを【3-0】で下す。


《得点》

◆34分 リバプール 【得点者:キーン】
ジェラードのスルーパスに反応したキーンが先制ゴール

◆43分 リバプール 【得点者:キーン】
ウェスト・ブロムウィッチのCKからカウンター
アウレリオのロングスルーパスにDFラインとの駆け引きから抜け出したキーンが、飛び出てきたGKをもかわして無人のゴールへシュート。

◆90分 リバプール 【得点者:アルベロア】
ベナユンのパスに、中央に切れ込んでいたアルベロアがゴール左上隅へのコントロールシュート。



『弓弦を引くように』

今日のリバプールは、DFの裏を強く意識した攻撃が目立ちます。
特に気になるのが、相手を自陣に引き込んでボールを奪い、怒涛の如く速攻を仕掛けるシーンでした。

まるで矢を番えた弓を引き絞り、力を爆発させる瞬間を狙っているように感じます。

それにまんまと乗せられて、リバプール陣内にフラフラと引き込まれるウェスト・ブロムウィッチは哀れとしか......

実際、リバプールの中盤のブロックを突き崩せず、壁に当たってはボールを失い速攻を喰らう始末。それも単独で突っ込んでは壁に跳ね返されるを単純に繰り返すのみ。もっとグループでコンビネーションを使って打開したり、ドリブルで突っ込むにしても、周りがサポートに付いていれば、そう易々とボールを失う事はなかったはず。



『アーリークロスの有効性』

この試合、割と頻繁にリバプールがクロスボールを放っていました。
あまり4強の試合でクロスボールを見ることは比較的マレ
特にプレミアリーグでは、どこのチームでもDF陣は高さと強さを兼ね備えた人材を投入しているだけにあまり意味が無い選択肢になっています

ただ、アーリークロスは高さだけに左右されない攻撃方法です。

サイドを深く抉らない浅いエリアからクロスボールをあげ、FWとDFがゴールに向かって走っている状態がベスト。DFラインとGKの間にボールを放り込めばなおベスト。この状態だと、DF陣はボールの軌道も確認(視認)しなくてはならず、FWの動きから一瞬目を放さなくてはならない。またGKとDFラインの間にボールを入れる事によって両者共に躊躇する守備の連係の綻びを作れる。守備の連係が崩れれば味方同士で衝突の危険性もあるし、何よりDFもゴールに向かってスピードを緩めずに突っ込んでくるのでオウンゴールの可能性も否定できない

しかし、DF陣が待ち構えている状態など、FWがDFを背負った場面などでアーリークロスをあげるのは、あまり意味が無い

ポストプレーで後ろに落として展開する事もなくはないが、それだったら直接ゴールを狙えるように深くサイドを抉って、横からクロスボールを放り込んだ方が幾分かマシ

日本の場合だと、攻撃に詰まってとりあえず中に放り込んでしまうプレーが多々見受けられる。中央のFWなど攻撃陣が競り合える状態で無い場面でも、ものぐさに『えいっ!』と適当にアーリークロスを放り込む姿は虚しさを覚える。

昨今、FWの得点力不足や決定力不足が話題に上り、FWの動きの質が問われる事はしばしばですが、状況判断も出来ないサイドアタッカーの面々の質も問われるべきだと考えます。クロスの質や精度云々の前に、場面場面の状況を的確に判断できる力を身に着けて欲しい。そしてボールを大事にする癖をつけて、攻撃を作り直す勇気も持って欲しい。


話が大分ずれましたが......


アーリークロスを放り込む事で、守備陣がキーンやカイトなどに引っ張られて下がる。そうなると速攻でも混乱しているウェスト・ブロムウィッチは余計に全体が間延びし、守備陣形を整える間も無くリバプールを向かい打つ事になります。



『バイタルエリア』

速攻でFWにDF陣が引っ張られて下がり、サイドをドリブルまたはコンビネーションで展開するリバプールに中盤が釣られる。またアーリークロスを放り込まれてDF陣が後ろに引っ張られる。アーリークロスの出所を押さえるために中盤がサイドに出て行かなければならない。

そうしてバイタルエリアがポッカリと空く

そこにするすると二列目・三列目からジェラードなどが上がってきて、誰もマークに付いていないフリーの状態でボールを受けてDFの裏へスルーパス。まさに先制点はこの展開からでした。

結局、初手でリバプールの策に乗っかって、フラフラと攻めに出向いたのが不幸の始まり。怪しいと引くのも手だったし、乗っかるにしても、もっと相手を押し込むべきだった。攻守にメリハリをつけるべきでした

後半の立ち上がり、ドリブルで苛烈に突っ込んで、リバプールの守備陣形を崩して、そこからゴール前に展開の場面は『おっ!?』と思わせるものはあったのですけどね......



『今後の展望』

《ウェスト・ブロムウィッチ》
一体、どんな意図を持ってこの試合に挑んだのか首を傾げます。

中盤でパスを繋いで、何かしたい雰囲気は感じましたが、そこからどうやってフィニッシュに結びつけるのか、具体的なイメージが未だに出来上がっていません。

攻めるにしても守るにしても、メリハリが無い。明確なイメージが無い
これを変えるには劇薬に等しいものが必要

ハルやストークに比べても何を表現したいのかサッパリ......


《リバプール》
キーンの復活というプレゼントまで貰った試合。トーレスの怪我からの復帰もあり、戦力がまた整ってきました。あとはトーレスとキーンが噛み合うかが一つの焦点になります。



リバプール:Formation】


            キーン(7)
            カイト(18)
  リエラ(11)              ベナユン(15)
 
      マスケラーノ(20)  ジェラード(8)

  アウレリオ(12)            アルベロア(17)
        アッガー(5) キャラガー(23)

            レイナ(25)

【得点】
34分 キーン
43分 キーン
90分 アルベロア

【交代】
65分 リエラ ⇒ バベル(19)
72分 キーン ⇒ トーレス(9)
80分 ジェラード ⇒ X・アロンソ(14)

※( )内は背番号


キーン・カイト・ベナユンと今日はキレキレで運動量も申し分なかった

キーンの覚醒はちょっと他チームにとっては厄介



ウェスト・ブロムウィッチ;Fromation】


        ベドナール(9)  ミラー(10)
 キム・ドゥヒョン(14)            コレン(7)
        
        バレーロ(28)  グリーニング(8)
 
 ロビンソン(3)              ザイフェルローン(22)
        オルソン(26)  ドンク(30)

  
             カーソン(19)

【得点】
なし

【交代】
56分 ベドナール ⇒ ムーア(16)
56分 キム・ドゥヒョン ⇒ ティシェイラ(20)
71分 ミラー ⇒ ブラント(11)

※( )内は背番号

2008年11月09日

【第31節】コンサドーレ札幌vs浦和レッズ【Jリーグ】

怒涛の終盤に向かうJリーグ。
その喧騒の真っ只中にいる浦和レッズは別のものと戦う
試合は浦和レッズが2-1で札幌を下しました。


◆13分 コンサドーレ札幌 得点者:ダヴィ
カウンターから一発のロングボールからダヴィが抜け出し、坪井・阿部が追いつけぬまま先制ゴール

◆28分 浦和レッズ 得点者:田中
ポンテのミドルシュートがポストに直撃。跳ね返った所を詰めていた田中が押し込んで同点

◆54分 浦和レッズ 得点者:エジミウソン
闘莉王のミドルパスに裏へ抜け出したエジミウソンが合わせて、GKが一歩ボールに触る前にループ気味にボールを押し込んで逆転


《失点までの動き》
コンビネーションでボールを前線に運び、SBが上がるタメも作れるほどボールも人も動き球離れも申し分ない。

《失点後から同点まで》
焦りからか、単独で仕掛けて、単独でボールを運ぼうとする。周りを使わないし、周りもサポートに動こうとしない。足元足元に欲しがって誰一人走らない。球離れも悪く、立ち止まってパスコースを考えるリズムの悪さ


『負の悪循環』

考えられるのは、一発のカウンターで裏を取られ失点したことによって中底が、後ろのケアを気にする余り、前に出なくなった事がリズムを悪くした原因でしょう。
ビルドアップに積極的に関与しないばかりか、動かないので前線との距離が開くだけで、ドンドン間延びしてしまう。そしてその間を札幌に使われて余計にピンチを招いてしまう。
仕様が無くポンテがそのパイプ役に降りてきて、ビルドアップから組み立てに参加して、ゲームメイクからフィニッシュに係わる全てを一手に担っていました。これによってゴールから遠ざかるわけですからフィニッシュの回数が減った事は言うまでもありません。

ポンテが動くのはいつもの事だとはいえ、この状況はあまりにも酷いです

動かない・走らない・突っ立て居るだけの中底に意味はありません。
チームの心臓が動かないのですから血流が止まってしまうのは自明の理

闘莉王をわざわざそこに置いた指揮官が悪いのか、走らない本人が悪いのか......それに付き合った鈴木が悪いのか......カバーで走らない周りが悪いのか......

一度ゲームプランが崩れると動きが止まってしまうのは、最近のレッズの悪い癖。


名古屋のハードワークが眩しく感じる


《逆転後〜》
同点から逆転まではそれなりに動けていたし活性化はしていました。
ただ一気に仕事が終わったのか、ボールも人も各駅停車に逆戻り。

誰一人として汗を掻こうとしない

ずるく休む・楽をする姿勢が見え隠れする。
昨年学んだ癖が悪い方向に出てしまっている。


『交代に見るレッズスタイルの無理解』

73分 ポンテ ⇒ 山田

試合が膿んでこう着状態の中での交代でした。
この試合でもっとも働き、動きも十分の中この交代には首を傾げます

違和感を感じるのは守りの姿勢だという事

アグレッシブに追加点を獲りに行こうとする意欲が感じられません。頑なに守りに固執し消極的だからピッチもベンチもスタンドの観客も盛り上がりに欠ける。


※レッズスタイルとは何か?

勝っている状況でも守りに入らず攻めに貪欲な気持ち。守備にしてもただ跳ね返すだけではなくそこからカウンターを仕掛けて、相手の寝首を取ってやろうと牙をむく姿勢。そして交代も守りを固めるものではなく攻めの一手でピッチ上のメンバーを鼓舞するやり方。もっともブッフバルトが得意としたスタイルであります。オジェックにしてもこのスタイルは理解していたと考えられます。


シーズン途中の解任劇で急遽表舞台に出たエンゲルス。彼の経験とキャパシティを越える役職であったことは確かでしょう。これほど全方向から孤立無援の状態で助けの手が一つも来ないのも驚きだったでしょう。
それでも何とかレッズを建て直し、ここまで引っ張ってきましたが、今彼の中にあるのは、自分を信じられず、選手を信じられず、とにかく守りに入ってしまう内に内に......の気持ちが占めているのでしょう。

この監督とピッチ上の選手・ベンチ、サポーターの三者の思惑がずれてしまっている事が不幸の始まりでしょう。

それを傍観しているフロントが何もアクションを出さないのが解せません

もっと早い段階でメッセエージを出し、エンゲルスにも選手にもサポーターとも話し合いをもてたはず......

一番レッズスタイルを理解していないのはもしかしたらフロント自身なのかも知れませんね。

結局、レッズの根っこの部分・気質を理解していないフロントが王国の崩壊を決定的なものにするのではないでしょうか?

※ちなみにアデレードの失敗は、レッズの形ばかり真似ただけで、本質や内情を全く理解していない事です。レッズの躍進はアグレッシブな守りにこそあるのだと思います。


『今後の展望』

◆コンサドーレ札幌
終始一貫してダヴィを上手く活用できなかった事に尽きる。
それほど大きく崩れる穴は見当たらなかった。最初に波に乗れなかった事がここまで大きく差をつけられる結果に......

◆浦和レッズ
今日の勝利は勝ち点を積み上げただけの作業に過ぎない
次に何も繋がらない勝利もあるのだと初めて知りました。
エンゲルスはビッグクラブを率いるには能力的に難がある。彼のスタイルがレッズに合っているかも疑問。それを含めて天皇杯まで彼を引っ張り続けるフロントもどうかしている。エンゲルスが潰れるのが先かクラブが潰れるのが先か......フロントの決断に掛かる。この状況ではレッズに魅力を感じない選手はどんどん移籍するでしょう。


【コンサドーレ札幌:Formation】


        アンデルソン(11)  ダヴィ(10)
  西谷(24)                   中山(13)
          西(22)   クライトン(15)

  西嶋(6)                   坪内(19)
          西澤(3)   柴田(32)


             佐藤(1)

【得点】
13分 ダヴィ

【交代】
46分 アンデルソン ⇒ 上里(20)
63分 西谷 ⇒ 砂川(8)
77分 柴田 ⇒ 岡本(17)

※( )内は背番号



【浦和レッズ:Formation】


          エジミウソン(17)

  田中(11)     ポンテ(10)     エクスデロ(15)

       鈴木(13)     闘莉王(4)

  相馬(16)                平川(14)
         阿部(22)  坪井(2)


           都築(23)

【得点】
28分 田中
54分 エジミウソン

【交代】
73分 ポンテ ⇒ 山田(6)
79分 田中 ⇒ 永井(9)
89分 エクスデロ ⇒ 堤(12)

※( )内は背番号

     

【第31節】柏レイソルvs名古屋グランパス【Jリーグ】

今試合を含めて残り4節となったJリーグ。
勝ち点1差で首位鹿島を追う名古屋グランパスが柏レイソルに2-1で負けました。


◆32分 名古屋グランパス 得点者:小川
グランパスのCKからレイソルのカウンターを喰らってグランパス自陣深くまで進入を許すも、ファウルを貰い止める。素早いリスタートからカウンター返し発動。小川がドリブルで運ぶ、中央をオーバーラップしてきた吉田(吉田もそのままゴールへ走りこむ)と一度パス交換後、ボールをマギヌンに預けて小川はゴール中央に走りこむ。マギヌンは右大外をフリーで中に走りこんできたヨンセンにクロスを入れる。ヨンセンがワンタッチで中央に落とし、そこに走りこんだ小川が倒れこみながらダイレクトでシュートをし先制点ゴール。


◆79分 柏レイソル 得点者:菅沼
CKから村上がヘディングで競り合い、ボールがファーで構えていた菅沼のもとへ来た所を、ヘディングで押し込んで同点ゴール


◆81分 柏レイソル 得点者:ポポ
左サイドで攻撃に行き詰まりビルドアップをし直す為に後ろに戻す。サイドを移して右にボールを移動。縦に人とボールが上手く連動でき、大谷がトラップ反転からスピードを殺さずに前を向く。そのままのスピードからワンタッチでゴール前中央へスルーパス。走りこんだポポが逆転ゴール。



《プレイスタイルの違い》
両者共にハードワークを辞さないプレイスタイルで一進一退の攻防

グランパスは......
ポストプレーを随所に絡めたワンツーで前後左右に動いてボールを運ぶのが基本。全員のハードワーク(汗を掻く)が試合を左右する

レイソルは......
中央のフランサとアレックス間のパス交換でタメを作り、その時間を使って二列目が追い越したり全体の押上を図って分厚く攻めるのが基本。
スピードを活かすためにもスペースが必要。



『試合の行方を決めたもの』

《同点への布石》

1.守りに入ったグランパス
先制ゴールを取って強く勝ちを意識してしまったグランパスは、前の4人だけで攻めて後ろを手堅く守る姿勢がピッチに蔓延していました。前の4人も攻め急ぎ単発の攻撃に終始する。前線や中盤でタメを作って全体を押し上げて、ボールを自陣より遠い位置でキープできれば申し分なかった。その上でCMFやSBなどの攻撃参加を含めた分厚い攻撃を仕掛ければ追加点も期待できたかもしれない。

2.ピクシーの失策
中盤や前線でタメを作らなければならないと分かっていて玉田・マギヌンを相次いでベンチに下げる。両者共に怪我気味&怪我明け等の理由があるにしろ交代メンバーがタメを十分に作れる役割を担える人材ではなかった。

3.GKの経験不足
同点ゴール前に、GKが飛び出してキャッチするも混戦に巻き込まれてファンブルしあわや失点の場面があった。この時はGKチャージを取ってもらい難を逃れたが、飛び出しやキャッチかパンチングかの状況判断など経験不足をモロに露呈してしまう。そこをレイソルにセットプレーの連続を機にGKが躊躇して前に出れない所を上手く突かれて同点ゴールを生むきっかけを作ってしまった。


《同点から逆転への経緯》

マギヌンを下げて守備固めをしたにも係わらず同点ゴールを許す。

玉田・マギヌンなど中盤や前線でタメを作り、ゲームをコントロールする人材を失った状況では、浮き足立ったチームに何をする術も残されていませんでした。中盤での支配力を失って攻守にメリハリを失ったグランパスは混乱の中、柏に逆転ゴールを許す


《逆転ゴール以降》

気ばかり焦り冷静さを欠いたプレーが頻発。ビルドアップの段階でのこの稚拙さを上手くレイソルに利用され、そこからカウンターをしばしば喰らいます。

中盤での冷静さを欠いたプレーが蔓延し、全体に焦りを誘発する。

こんな時に必要なのはタメを作って周りを落ち着かせる存在。そして前に前に行きたい気持ちをテクニックで実行力の伴った攻撃に変換する存在。結局、玉田・マギヌンなどをベンチに下げてしまった為にこれが出来ませんでした。



『ピクシーの失策』

試合の最後の最後まで詰めきれなかった経験不足と交代カードの切り方がゲームを左右したと断言してもいいでしょう。

怪我など不確定要素があったとしてもベンチに藤田が居た事を考慮すれば、玉田のケースは杉本ではなく藤田を選択すべきでした。まったく杉本がレイソルにとって脅威になりえていなかったのが悔やまれます。

同点ゴール後、チームが不安定に陥ってしまった時、明確にチームの方向性を示すべきでした。特に中盤でのプレスが全く機能していなかったのは悔やまれます。精神的に立ち直る前にその隙を突かれてレイソルに逆転ゴールを謙譲してしまったのは痛すぎました。

チームが負のスパイラルに陥った状況では手の打ちようが無く、巻を投入してパワープレーに移行しようとしても、気持ちを前へ前へと焦らせるだけで全く何の解決策にもなっていませんでした。



『次戦以降への展望』

《柏レイソル》
スペースを失ってスピードを殺された時、どうやって攻撃を展開するのか戦術の幅が欲しい。またはどうやって自分達でスペースを作るのかの研究も必要。自分達で意図して相手にスペースを作らせる方策を作れば上位も夢ではない。

フランサからの脱却をどこで図るか......別の手段を用いるのか、フランサに代わる人材を発掘・育成するのか


《名古屋グランパス》
一つの強味・武器だけで優勝争いに持ち込んだピクシーの手腕は評価したい。ただ今年優勝争いを突き抜けるには経験と手駒の少なさが気になる。ただ他の優勝争いを演じるチームも似たり寄ったりの状況がグランパスに勝利を呼び込むかもしれない。

ハードワークは出来るチームだけど、どうしてもリズムが単調に陥りやすく相手に読まれやすい。縦にボールを入れるタイミングを失っているのも気になる。その勇気と決断力と責任を取れるピッチ上のコンダクター(指揮者)欲しい。かつてのピクシーのように......

それが出来ないならば攻撃に変化を付けさせるためにも、第五の男・CMFからの攻撃参加が幅を持たせるためにも必要。全体のバランスを取るのがCMFの役割だけど、あえてバランスを崩してゲームを動かす事が出来るのもCMFの醍醐味。



【柏レイソル:Formation】


            フランサ(10)

   菅沼(15)     アレックス(6)     太田(14)

         栗澤(28)     杉山(34)

   大谷(7)                 村上(25)
          小林(13)   古賀(5)


             菅野(33)

【得点】
79分 菅沼
81分 ポポ(11)

【交代】
46分 フランサ ⇒ ポポ(11)
65分 太田 ⇒ 大津(27)
69分 杉山 ⇒ 蔵川(23)

※( )内は背番号



【名古屋グランパス:Formation】


         玉田(11)  ヨンセン(9)
  マギヌン(8)              小川(29)
 
         吉村(14)  中村(7)
  
    阿部(6)              竹内(30)
         増川(16)  吉田(34)


            西村(21)

【得点】
32分 小川

【交代】
73分 玉田 ⇒ 杉本(19)
79分 マギヌン ⇒ 米山(5)
84分 阿部 ⇒ 巻(17)

※( )内は背番号


楢崎の怪我の離脱が結果的に響いてしまった。

この試合ほとんどサイド攻撃は皆無。そこのテコ入れの意味も杉本投入にはあったのかも知れないが、すでにサイドからの展開でゲームが動く状況ではなかった......使われて活きる人材は居ても使う側の人材が乏しい

それにしても小川の成長は目を見張るものがある。ハードワークも辞さないしゴール前へ飛び込む嗅覚など素晴らしい。あとは+αするものが欲しい......ゲームをコントロールする力を付けるのか、長所を伸ばすべくドリブルなどの突破力を身に着けるのか......ピクシーの育成プランはどうなっているのか気になる。そして何で代表に呼ばれないのか不思議でならない    

2008年11月06日

【Final:1st leg】ガンバ大阪vsアデレード【AFC Champions League 2008】

ACL決勝はhome&away方式。そのhomeゲームでガンバ大阪がアデレード・ユナイテッドを【3-0】で下す


◆37分 ガンバ大阪 得点者:ルーカス
攻守の切り替えの速さからガンバが中盤でボールをカット。すばやく二川が前線へスルーパス。走りこんだルーカスが先制ゴールをあげる

◆43分 ガンバ大阪 得点者:遠藤
アデレードの中盤での横パスを佐々木がカットしルーカスへ。ルーカスがポストプレーで受けて反転しながら逆サイドへスルーパス。走りこんだ遠藤がそのままシュートで追加点。アデレードGKは一歩も動けず。

◆68分(後半23分) ガンバ大阪 得点者:安田
ガンバのCK。遠藤が変化をつける。ゴールほぼ正面PA外枠に待機していた安田がダイレクトボレーでミドルシュートを打つ。グラウンダーで転がったボールは、混戦の中誰にも触れられる事無くゴールネットを揺らし追加点


『得点への経緯』

《序盤〜先制点まで》

1.サイドに攻撃の基点を置く
左は安田、右は佐々木と、相手にとって脅威となるパワーポイントを両サイドに持てた事が大きい。二人ともスピードと敏捷さで差をつけていました。

2.中盤での圧倒的な支配力
パスワークに表されるように、足元のテクニック・運動量・動き出しの質など申し分なし

3.必ずフィニッシュで終える
ミドルシュート等々、積極的にゴールを狙う姿勢を示し、常に相手の先手先手を取る


《先制点〜追加点》

確かにガンバが圧倒的に攻めてはいましたが、ゴール前での高さや人数などアデレードのゴールをこじ開けるには至りませんでした。
粘り強く跳ね返すアデレードに徐々にゲームの主導権を握られつつある状況でした。

アデレードが攻めに転じて、中盤でパスを繋いで前に出てきた所を、攻守の切り替えの速さで、ガンバがプレスの網に引っ掛けて素早くボールを拾い、二川がスルーパスを出してルーカスが得点しました。
また追加点も前線からのプレス&チェイシングからの得点ということで、中盤から前線へかけての守備意識の高さと攻守の切り替えの速さが感じられます。


《ダメ押し点まで》

後半からアデレードがフィジカル(身長差・体格差)を前面に押し出したタイトな守備を施してきました。これによって余裕の無くなったガンバは、中底やバイタルエリア等々でパスミスや横パスのカットなど、失点につながりかねないミスが頻発してリズムを失いかけていました。
ロングボール等々ハイボールのボールも多くなり、明らかに身長差を意識した攻撃の展開も多くなっていました。

そこで明神に代えて山崎を投入。あらためて得点する意思をチーム全体に示すと同時に、前線からのプレス&チェイシングの徹底と図り、遠藤を中底に配置し、確実にパスを繋ぐ基点を作りゲームを安定させる方向に転換しました。

これによって中盤でのパスワークが安定し、相手の寄せにも余裕を持って対処できるようになりました。前線のチェイシングの活性化によって
ロングボール等々のパスの出所を押さえることが出来、DF陣が余裕を持って対処できるようになりました。ラインディフェンスも安定性を取り戻し、再びガンバがゲームの主導権を握りました。

そしてセットプレーから決定的な得点をガンバの安田があげてアデレードの勢いは鎮火しました。


『アデレードの敗因分析』

awayという事を考慮してか、かなり慎重なゲームの入り方。
特に守るという意識が何事にも優先して、中盤やサイドの攻防において積極的にプレッシャーを仕掛けられなかった。
守備意識が待ち構えるものだったために、ガンバにとってはパスを繋ぐにもドリブルで仕掛けるにしても、凄く良い間(空間)が空いて積極的に自分達の良さを出せました。

積極的にアデレードが中盤でプレッシャーを仕掛けて前に出ても、ガンバはダイレクトでパスを回し全くボールに触れられない。予想以上にガンバのテクくニック・パス回しの速さ・正確さに面喰っているのが分かります。

サイドの攻防で、ガンバの安田や佐々木などにフィジカルでなくスピード勝負で対応してしまった。そして予想以上に速かった。

思った以上に遠藤が流動的に動き、そしてそれに連動して中盤(二川)がバランスを取って動く。最後まで遠藤を捕まえられないまま追加点まで許す結果に......


ここから読み取れるのは明らかな【情報分析ミス】です。


前半からもっと中盤でタイトなプレスを仕掛けていたら、ここまでゲームを支配される事はなかったでしょう。
明らかにフィジカルの差はあるのですから......

そして中盤でパスを繋いで攻撃を組み立てようとした所を見ても、明らかに余裕を見せ過ぎだと思われます。

決勝トーナメントの初戦で鹿島を倒した事に対する優越感
準決勝でジーコ率いるクルブチを倒した高揚感を引きずっている

ガンバを格下扱いで臨んだ慢心以外のなにものでもありません


『次戦への展望』

《アデレード・ユナイテッド》
1.前線から中盤にかけて、もっとシビアにタイトなプレスを仕掛けてくる

2.身長差と体格差を意識した攻撃を仕掛けてくる

3.パススピードやドリブルスピードなどもっと速攻を意識し、ゲームスピードを上げてくる


《ガンバ大阪》
1.受けに回らず、序盤から攻守の切り替えの速さとプレスのタイトさを意識すること

2.サイドからのクロスボール対策と二列目からの飛び出しへの対処

3.ハイボールの処理の仕方とロングボールなどのパスの出所への前線からのチェイシングの徹底


言うまでも無く圧倒的にガンバ大阪が有利です。何よりも無失点・アウェーゴールがない事が最大の強み

アデレードがこれをひっくり返すには、次戦4点以上ガンバから取らなければなりません。もしガンバがアデレードから一点でも取ると6点以上取らないと勝利にならない計算になります。
※アウェーゴールは同点のときだけに適用なのかな?

あくまでもガンバは気を引き締めて冷静にそして熱く戦ってほしいです。変な余裕は怪我のもと!



ガンバ大阪:Formation

            ルーカス(9)

             遠藤(7)
    二川(10)             佐々木(16)
         橋本(27)   明神(17)

    安田(13)              加地(21)
         山口(5)    中澤(2)


             藤ヶ谷(22)

【得点】
37分 ルーカス
43分 遠藤
68分 安田

【交代】
63分 明神 ⇒ 山崎(30)
69分 佐々木 ⇒ ロニー(18)
76分 安田 ⇒ 下平(19)

※( )内は背番号

ロスタイムの遠藤の幻のFK。あれがオフサイドで無効になったけど、次戦もPA付近でのファウルは要警戒なはず。



アデレード・ユナイテッド:Formation


            RODRIGUES(10)

             SARKIES(8)
  CASSIO(6)                 DODD(13)
        PANTELIS(7)    DIEGO(22)

  JAMIESON(14)                RICHARD(18)
         SASA(19)    COSTANZO(4)


             JOSIP(30)


【得点】
なし

【交代】
73分  PANTELIS ⇒ FELICE(21)
84分  CASSIO ⇒ YOUNIS(25)

※( )内は背番号

2008年11月04日

【十一節】ストークvsアーセナル【プレミアリーグ08~09】

崩壊寸前のアーセナル

若さだけでは片付けられないメンタルの弱さ

強い光に照らされて分かる深い影



『現代サッカーの盲点? 盲腸?』

机上の空論に等しかったスローインを絡めた攻撃。誰もが一度は考えるし、ちょいと古いけど、日本でも冬の高校選手権等々で、回転スローインとかアクロバットな方法でロングボールを投げ入れる方法など多様な技が生まれていました。

廃れてしまった理由を考えると、安定性(何度も30m級のロングスローをすると腕の筋力が落ちて試合中使い物にならない)がなかったり、山なりの弾道など球のスピードが遅いと容易にGKが処理したり等々、そして受ける側もパワープレーを仕掛けるほどの高いフィジカルを要していなかった事も原因にあるかもしれません。


ただ最大の利点はオフサイドルールが適用されない事。


CKに匹敵する効果がある。真横からではなく微妙に直線的にゴールに向かってくるので守りづらい。


ただ間接FKと同じで直接ゴールを狙う事は許されていないのもネックなのかな。

ストークのデラップがこれほど脅威になりえるとは、当の本人もチームメイトも監督も予想を超える反響だと思えます。正直このチームはサッカーチームとしてボールを前に運ぶ事すらままならない。ましてやゴール前にボールを運んでシュートなんて夢のまた夢。その意味でもデラップの30m級のロングボールは脅威。もちろんオフサイドが無いから、ここぞとばかりに190cm超の選手がゴール前に詰め掛けるんだから、GKもボールの軌道を確認するだけでも一苦労。

そして何よりも厄介なのは球質がストレートボールに近く、弾道が読みにくい事。所謂ブレ球に少し近い気もする。

それに加えて?アーセナルがフィジカル勝負もしくはパワープレーにめっきり弱い事。


幾つもの条件が重なり合ってストークの先制点が生まれました。


デラップもそんなに毎度毎度ベストボールを投げ入れられない。やっぱり相当に腕の筋力を使うんだろうな〜。ただ足で蹴るFK/CKより確立は上(笑)



『ラグビー対サッカー』

ラグビースタイルと揶揄されるストークのスタイル

正直、お話にならない内容

兎に角、泥臭くフィジカルと気合で守り抜いて前に蹴りだす。相手がピッチの外に出せばロングスローを期待してゴール前に押しかける。

確かに不器用な足でボールを扱う事自体、手の器用さに比べればその不合理さは拭えないけど、だからこそ人はそれに熱狂するのではないでしょうか......

まぁ ルールはルール

それもサッカーのスタイルだから勝っている事実がある以上、その利点を認めないわけにはいかない。

ただ観ている私にしても、ストークのFKやCKになるとスローインじゃないのかと残念な気持ちになってしまうのは微妙な感覚(苦笑)



『苦しい時だからこそ』

アーセナルが輝きを失った瞬間。
もっとも醜いサッカーを露呈したのはアーセナルでした。異論があるとしてもストークは自分達のサッカーを遂行しているに過ぎず、ルールを逸脱しているわけでもありません。

その中でふて腐れた子供のように我侭に立ち尽くすアーセナルの子供達はとても醜かったです。

度々この仮面を見せる事があるアーセナル。

アーセナルの強さを表現する時、もっとも的を得ている表現は無邪気な子供と言うのがしっくりくる気がします。

自分達が楽しいとき調子が良い時は相手を無残に切り裂き、楽しくないとき上手く行かないとダダをこねてふて腐れる。

誰一人ボールにチェイシングに行かないし、サポートに走らない、ボールを追い越したり回り込んで汗を掻いて走るなんて皆無。その象徴に今日はディアビィがクローズアップされました。一人でボールの流れを止めてだらだらとボールを持って、挙句にはボールを獲られる始末。アイデアが無いならボールを素早く預ければ良いのに......昨年のベントナー状態。

そして何よりも気になるのは体を密着させられる事を嫌う傾向が強い。多分アーセナルがパスサッカーに特化したが故の弱点なのかもしれない。それでもサッカーは時として気持ちを前面に押し出して相手に向かって行かなければならない時がある。たとえフィジカルが弱いとしても、気持ちを持ってぶつかってくる相手に誰もがたじろぐ。

ファイター・戦士でなければならない時がある。

今アーセナルに必要なのはこんな気持ちを持った選手なのかもしれない。

溜まった鬱憤を相手GKにタックルで晴らすような輩ではない。


長いシーズンを戦えば、どのチームとて波はあるし、上手く行かない事もある。特に今アーセナルは大きな壁にぶつかっている事は確かです。怪我人も続出して、なにもかも予定どうりには行かない。ただそれを若さ故の不安定なムラッ気で済ませて欲しくない。耐える事・受け入れる事・図太さを学んで欲しい。そして素直に耳を傾けて欲しい。何よりも経験豊富なベンゲルが居る事が救いだと思いたい。昨年終盤で失速した事を考えれば、シーズン序盤で壁にぶち当たった事は、逆に考えればチャンスに違いない。



こんな若いチームはたった一試合、oneプレーでガラッと雰囲気を一新してしまう強さがある。

ネガティブな事も時として人を前に進ませる起爆剤になる。

ベンゲルがどうやって立て直すのか興味が尽きない



ストーク:Formation


        シディベ(11)  フラー(10)

  デラップ(24)             ファイ(19)
         ディアオ(18) セイ(4)

  ダニー(3)               グリフィン(2)
       ショウクロス(17) ファイ(25)


           セーレンセン(29)

【得点】
11分 フラー
73分 セイ

【交代】
78分 ディアオ ⇒ ウィーラン(6)
86分 フラー ⇒ クレスウェル(9)
90分 シディベ ⇒ キットソン(12)

※( )内は背番号



アーセナル:Formation


        ベントナー(26)  アデバヨール(25)
  ディアビ(2)                  セスク(4)

         デニウソン(15)  ソング(17)
  
  クリシー(22)                 サニャ(3)
        シルヴェストル(18) トゥーレ(5)


             アルムニア(1)


【得点】
90分 クリシー

【交代】
57分 ソング ⇒ ウォルコット(14)
65分 デニウソン ⇒ ファン・ペルシー(11)
72分 アデバヨール ⇒ ヴェラ(12)

※( )内は背番号


セスクを一段上げたばかりにゲームを作れなくなった

確かにセスクは攻撃の柱である事は確かだけど、チームの中心・精神的柱にはなっていない。

ほんと上手く行かないときはアデバヨールが中盤に顔を出す回数が減る

ファンペルシーの暴挙はお子ちゃまレベルのキレ方

一番の問題は昨年とは違ってDF陣に怪我が増えて、治る前に誰かが怪我をする悪循環。

華やかな話題が欲しい。ロシツキーの復帰とかエドゥアウドの復帰とか      

2008年11月03日

【第十一節】マンチェスター・ユナイテッドvsハル【プレミアリーグ08~09】

今期序盤の目玉ハル

どこまで大物食いが続くのか?

果たして強さは本物なのか?



『油断?』

試合開始三分でC・ロナウドにシュートを許し、早々と失点したハル。

PA内でぽっかりC・ロナウドのマークに付かずボールにばかり目を奪われていては失点も致し方ない。

どうもチェルシー戦も序盤に失点して負けたらしい。そう考えると、試合開始早々の集中力はあまりないと感じられる。プレミアに初昇格で緊張続きの中、そろそろ疲れが溜まる時期なのかもしれない。それとも慣れからくる慢心か初めから全力で相手が来る事を想定に入れていないのかな?

ハルにとって0-0のスコアは何よりも自分達のペースに持ち込むための生命線。他チームもこの時間帯を隙なく狙ってくるのは考えられる。気を引き締めないとズルズル......



『一枚上手?』

先制点から何となく両者ともふらふらと浮ついた状態。確かにマンUが押し込む場面が多いけど、かといってヒヤヒヤする場面が続いたかというとそうでもない。被シュート数も体感でもそんなに多くない。

マンUが攻めあぐねてるな~

18分辺りからハルの中盤の網(守備)に、マンUのパスが引っかかるようになります。今日のアンデルソン&キャリックの組み合わせは良かったように感じます。ただサイドをハルに抑えられえて、殆ど攻撃らしい攻撃は皆無。その分中央の攻めが多くなり、的を絞られてジワジワと網に掛かったのかもしれません。

ただそれでもハルの攻撃陣がアタッキングエリアに入ることすら困難でした。流石に打つ手てなしかと......

23分 前線でハルFWがボールをキープ。そこでファウルを貰ってFKを獲得。セットプレーにニアに飛び込んだクザンが頭で合わせて同点ゴール

正直、このワンチャンスで同点に持ち込めたことに驚きと同時に、試合開始早々の失点はいらなかった。この集中力があるならばあの失点も防げたはずなのに......


観る方としては面白い展開に......


29分 マンU自陣ゴール前からカウンター発動。あれよあれよとハルのゴール前に、ベルバトフのラストパスからキャリックの股抜きシュートで逆転。

44分 CKからC・ロナウドのヘッドが炸裂。3-1に突き放す


別段、ハルの守備が崩れたわけでも、気持ちが切れたわけでもありません。ただマンUが一枚上手だったという事



『ハルの誤算? 私の誤算』

一つ計算違いを挙げるならばベルバトフそのものでしょう。

リーグ開幕当初は、その動きにイライラすることが多かったですけど、今は周りに馴染んで守備にも走れるようになりました(苦笑)

何よりも驚くのは、その柔らかいパスセンス

今日の先制点や逆転ゴールはベルバトフのラストパスから生まれているのは当然として、攻撃の基点として絡むことが格段に多くなりました。そしてゴール前での最後の一押しのときにボールを預けられるようになりました。

依然として足が遅く運動量も少ないので、パスを出した後にゴール前に飛び込むなんて芸当は無理だけど、それはルーニーにしろC・ロナウドにしろ走ってくれる存在がゴロゴロしてるし、無理してベルバトフが走る必要もないかなと思わせるほどの活躍。

ちょっと信じられないな~というのが率直な感想(苦笑)

ハルとしてもマークに付き辛い。FWだから前線に居るんだけど、フラフラと中盤に顔を出すし、そこを付いていけば良いと思うんだけど、おいそれとは付いていけない......C・ロナウドがそこに頻繁にFWかと言う位突っ込んでくる状況は無視できない。どうしても守備の優先順位は下がる。それは中盤の選手とて同じで、ベルバトフよりC・ロナウドに注意を向けないと即失点に繋がってしまう。そこにまたルーニーがかき回して動くから気が休まる暇がない。

せめてもの救いはベルバトフに運動量と足の速さがないこと



『逆境を楽しむ』

後半も12分(57分) CKからマンUのヴィディッチに決められて4-1

楽勝ムードが漂ったのはマンUの方だけだったかもしれない。

ハルに諦めた雰囲気は漂っていませんでした。


交代カードを切ってシステムをちょっと動かす

4-3-3に移行して前線を分厚く、でもロングボールとかパワープレーに頼るような欠伸が出るような攻撃ではありませんでした。


69分 メンディの所に、たまたま跳ね返りでマンUのバックパスがふありと落ちる。抜け出して拾って飛び出してきたファン・デル・サールの頭上を抜くループで4-2と点差を詰める。


前半からちょこちょこ目立っていたけど、ハルのFWはポストに入ってもおいそれとボールを失わない。これは驚嘆する。4強以外のチームが最も苦労するのは、トップにボールを預けても味方が上がってくるまでボールをキープできない所。それを殆どこの時間帯までマンUのタイトな守備にも負けずにボールを失わないのは驚き。


82分 メンディがPA内で倒されてPK奪取。これをジオバンニが決めて4-3と追い上げる。

※あれがPKに値するかは微妙(苦笑)。ファウルと言えばファウルだけどあれを取り出したらもっと前のファウルの基準はなんだったのかと言いたくなる。


ここで尻に火がついたマンU

一気に試合がヒートアップ! 俄然盛り上がるスタジアム

厳しいタックルにカードが乱れ飛んで、膿んだ試合展開はどこへやら


最後の最後はマンUの気合が勝ったのか、ハルがここに来て怖気づいたのかマンUが上手く試合を閉じて終了。


何となくハルが上位に食い込んでいるのが分かる気がする。

それはどんなに点差が開こうとも前しか向いていない。後ろを振り返るこちはない。どんな状況でもピッチに居る選手もベンチも誰一人諦める人が居ないのが強さなのかもしれない。マンU相手に一歩も引かずに真っ向から組み合って、相手を揺さぶって、尻に火を点けさせたのは、只のビギナーズラックではない事の証明。

確かにアーセナルとか精神的に揺らぎがある若いチームでは、ハルのこの真っ直ぐな精神は跳ね返せないかもしれない。マンUでも危うく......なのだから(苦笑)



マンチェスター・ユナイテッド:Formation


        ベルバトフ(9)  ルーニー(10)
  ナニ(17)                  C・ロナウド(7)
 
       アンデルソン(8)  キャリック(16)

  エブラ(3)                 G・ネビル(2)
      ヴィディッチ(15) ファーディナンド(5)

            
         ファン・デル・サール(1)


【得点】
03分 C・R
29分 キャリック
44分 C・R
57分 ヴィディッチ

【交代】
64分 ナニ ⇒ テベス(32)
72分 キャリック ⇒ ギグス(11)
88分 アンデルソン ⇒ オシェイ(22)

※( )内は背番号

ベルバトフの重用に隠れて不満爆発寸前のテベス。めっきりリーグ戦でも見かけることが少なくなりました。この日もルーニー同様荒れ気味?

アンデルソンはやっぱりセントラルの方が良い気がする。ただ若さからか攻撃に行ったまま戻らなくなる事も後半はあったけど。

今日は殆どサイドからの攻撃は皆無。両SBがサイド奥を抉るなんて無かった。これはこれで珍しい気がする。よっぽどハルが上手く守ったのかな

ベルバトフは一昔前のファンタジスタっぽいポジション(1.5列)に居る気がする。役割的にもパス中心。



ハル:Formation


        キング(23)  クザン(25)

           ジオバンニ(10)

     ヒューズ(11)       マーニー(22)
           ボーテング(20)
  ドーソン(3)              マクシェイン(17)
        ザヤット(24)  ターナー(6)

            マイヒル(1)


【得点】
23分 クザン
69分 メンディ
82分 ジオバンニ《PK》

【交代】
59分 ヒューズ ⇒ メンディ(15)
63分 キング ⇒ ハルモシ(16)
86分 ボーテング ⇒ フォーラン(18)

※( )内は背番号


ブラウン監督ちょっと只者じゃないかも。メンディの投入とか采配の切れも見せた。ボルトンでアラダイスの下で働いて居たらしけど、まったくスタイルは違う。少なくともロングボールで観る方が欠伸が出て仕方ないような試合はしません。あのヘッドセットはかっこいい(笑)

キングとクザンのFWは、確かに体も強くて少々の当たりじゃビクともしないし、ポストに入ったボールも失わない足元の技術も持ち合わせている。安心してボールを預けられるのは何よりも心強い。それにしても良く見つけてきたな~

ただ単に引いて守るだけ、1-0で逃げ切るだけのチームではなく、たまにはこんな乱戦に持ち込める力を見せたのはちょっと手強い。それもマンU相手というのが効いてくる。

        

2008年11月02日

【Final】大分トリニータvs清水エスパルス【ヤマザキナビスコカップ】

地方クラブだからこそ見えるものがある

生き残る術をどこに見出すか

それをどう活用するかが全ての鍵



『積み重ねたもの』

久しぶりに大分トリニータの試合を見ました。ちょっと気になって調べてみたら2006年8月の試合を最後にぱったりと途絶えていました。九州という親近感やお気に入りのチームの一つではあるけど、随分と縁がなかったんだな~と、いつの間にかカップ戦のFinalに顔を出すチームになったのかと感慨深い。

久しぶりに大分を観た感想は変わってないな〜の一言

システムやゲームを組み立てる手法、ゲームの方針・コンセプト、それぞれのポジション&ブロックごとゾーンごとの役割などシャムスカ就任時からブレがありません。

※書くとなが〜〜〜くなるので過去の記事(ココココ)をどうぞ(大汗)

長期政権だからこそ、フロントと現場の方針にブレが殆どないからこその結果なのかな


では何が大分をここまで押し上げたのか?


確実に言えるのは【+α】の多さに尽きる

一つ一つは小さな物かもしれないけど、チリも積もれば山となるを実行した賜物。



『+α』

目に付く所からざっと

一、DFの成長
大分の代名詞にもなっている固い守備。それを後押しするDF陣の成長は目覚しいものがあります。特に対人に対する強さは当初と比べると雲泥の差がある。

ニ、ユース&若手の重用
資金力に乏しいクラブだからこそ、じっくり育てて使う手法が現場とフロントで意見が一致している。チャンスを掴める場がある。

三、サブの充実
森島・家長など十分にメインを張れる人材が集まってくるようになったこと。怪我や出場停止で誰かが離脱してもそれをカバーできる戦力が整った事は目覚しい進歩

四、ボールへの執着心
一番変わったのはこれかもしれない。マンマークだからそう映るのか、自分のプレイエリアへ入ったボールに対するタイトな守備はすっぽんに近いものがある。ボールへの飽くなき執着心が大分をここまで押し上げた一つと言っても言い過ぎではない気がする。



『清水エスパルスの読み違え』

一番残念だったのは清水が引いて守備を整える事を最初にしたこと。

確かに攻守の切り替えの鋭さなど目を見張るものがあったし、大分の攻撃陣、特にFWに前を向かせないタイトな守備など驚きもありましたが、やっぱり誰もが清水に期待するのはサイド攻撃

そのサイド攻撃が殆ど見られなかったのは残念で仕方ない

大分相手に受けに回ったのは戦略違いな気がする。

大分の強味でもあり弱点はボランチの二人。このゾーンをしつこく突付いてこのボランチの仕事の容量を超えれば、大分は全体的に下がるしか手が無い。いくら大分のDFが成長したとはいえ、なにもかも跳ね返せるほど磐石な布陣ではない。執着心で相手に喰らい付いて足止めさせてそこをボランチなどと挟み込んで獲るのが大分の手法。サイドを押し込めば人数的に不利なのは大分も分かっているから、ボランチが外に引っ張られる。手薄になった中を突けばもっと大分は慌てたはず。

戦前から強力な守備がクローズアップされすぎて、過大評価されすぎではなかったのか?

全体的に見ても(0-0の)拮抗した状態で清水が押し込む状態があまりにも少なかったように感じる。特にサイドからのクロスなど数える程しかなかったのは残念。



『永遠の課題?』

サイドを崩して大分が先制点を挙げる訳ですけど、この試合唯一度だけFWが前を向いてゴールに飛び込むんだのが先制点に繋がったのは、清水にとってダメージは深かったと思います。

その後、攻めに繰り出した清水の裏を突いてウェズレイが止めを刺して試合終了。

清水にとっては自分の武器を納めてまで勝ちにこだわったのに、それが裏目に出たことが何よりも悔いが残る。自分の武器を掲げたままで相手の攻撃を跳ね返す術が欲しい所。

そして何よりもサイド攻撃を得点に結びつける攻撃陣の核。絶対的な存在が生まれないと厳しいかな。これは大分も同じでウェズレイの代わりとなる存在が出てこないと......


優勝を飾った大分も大きな課題を抱えている事は確か

一番の課題はボランチ

今はブラジルコンビで凌いでいるけど、ここを任せられる日本人が出てこない。何度かその試みはやった気配はあるけど、危うくJ降格の危機まで招いて、結局エジミウソンを呼び戻した経緯もそこにある。この大分のボランチを務められる日本人が出てくるならば、それは即日本代表を背負って立つほどの人材だと私は思う。シャムスカ監督には是非にもそれをチャレンジして欲しい。


大分が歩んだ道のりは、これからの地方クラブ・中堅クラブにより追い風を吹かせるのではないでしょうか。特にユースや若手を重用するやり方は自信をつけさせる一石になったと思います。そして何よりクラブ経営の面白さなど、ハードだけではなくソフトの充実そのものが勝敗に直結する面白さを認識する結果になったかもしれません。

やっぱりフロントの強さが何よりもクラブの強さに比例する時代が日本にも来たのかもしれませんね。

ガ○バとかレ○ズとか大丈夫か?



大分トリニータ:Formation


        高松(13)  ウェズレイ(10)

            金崎(8)
   藤田(33)              高橋(20)
       ホベルト(3)  エジミウソン(5)

     上本(22)   森重(6)   深谷(4)

            下川(16)

【得点】
68分 高松
89分 ウェズレイ

【交代】
82分 高松 ⇒ 森島(9)
89分 金崎 ⇒ 小林(2)
89分 藤田 ⇒ 西山(7)

※( )内は背番号

金崎夢生、たしかに突進力など面白い逸材。ただ、まだまだ先の人材(荒削り)である気がする。じっくり実力をつけて欲しい。



清水エスパルス:Formation


        原(19)   岡崎(23)
          
           枝村(8)
     兵働(13)       真希(28)

           伊東(7)
   児玉(2)            岩下(5)
        青山(26)  高木(4)

           海人(29)

【得点】
なし

【交代】
71分 児玉 ⇒ 市川(25)
71分 真希 ⇒ マルコス パウロ(6)
82分 枝村 ⇒ 矢島(9)

※( )内は背番号


ちょっとダイナミズムに欠ける。大分は荒削りだけどそこが違う気がする。ちょっと小さくまとまりすぎじゃない?

そんな中でも岡崎は可能性を感じさせる。もしかしたらチョン・テセばりに大化けするかもしれない。

清水の守備も相手に前を向かせない徹底してタイトにしていたけど、失点シーンだけサイドをフリーで金崎にクロスを放り込ませて、FW二人を前を向かせてしまったのは何とも痛い。あそこだけだった気がする。   

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